研究課題/領域番号 |
63550345
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
角田 與史雄 北海道大学, 工学部, 教授 (60001210)
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研究分担者 |
古内 仁 北海道大学, 工学部, 助手 (60165462)
高橋 義裕 北海学園大学, 工学部, 助教授 (80137398)
堺 孝司 北海道大学, 工学部, 助教授 (20002206)
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キーワード | スラブ / フーチング / 押抜きせん断 / 引抜きせん断 |
研究概要 |
フーチング等のRC面部材が引抜きせん断力を受けるときの耐荷性状は著しく複雑であり、設計上の取扱いが不明確な点が多い。とくに引抜き力が部材自由縁に近い場合には、縁端距離の減少に伴う耐力低下が大きく、せん断補強鉄筋の効果についても明確にされていない。本研究はこれらの問題について解明を試みるもので、本年度は次の二つのシリーズに分けて実験的検討を行った。 1.縁端距離およびアンカー深さの影響 支持辺と自由縁とが直交する場合として、相対する二辺支持、他の二辺自由の場合について、部材幅、縁端距離およびアンカー深さ(埋込み載荷位置)を変数に実験を行った結果、表面載荷および埋込み載荷のいずれの場合にも、はり型せん断破壊、押抜きせん断破壊および両者の過渡的領域の三つの領域が存在すること、耐力は縁端距離の減少によって低下するが、その影響範囲はアンカー位置によって異なること等が明らかになった。また、支持辺と自由縁とが平行な場合として、片持スラブについて縁端距離、せん断スパン(固定端から載荷位置までの距離)、アンカー深さおよび鉄筋比を変数に実験を行った結果、耐力はアンカー深さにほぼ比例すること、表面載荷の場合の耐力ははせん断スパンが小さいほど大きく、ディープビームと同様な性状が示されたが、埋込み載荷の場合にはせん断スパンの影響は小さく、また鉄筋比の影響も小さいことなどが明らかになった。 2.せん断補強鉄筋の効果 引抜きせん断を受ける部材では一般にせん断スパンが小さいが、このような場合のせん断補強鉄筋の効果については不明な点が多いため、ここではディープビームにより実験を行い、スターラップの効果はせん断スパン比が小さいほど低く、トラス理論を下回ることが明らかになった。
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