• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

水中あるいは湿潤状態におけるコンクリートの疲労強度の改善に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63550346
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

尾崎 しのぶ  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (20002850)

研究分担者 菅田 紀之  室蘭工業大学, 工学部, 助手 (80187632)
キーワードコンクリートの疲労 / 水中疲労 / 真空処理コンクリート / 高炉スラグ組成物 / pH測定 / 体積ひずみ / ヒステリシスループ
研究概要

水中あるいは湿潤状態におけるコンクリートの疲労強度が、大気中におけるそれと比べて、著しく低下する原因の究明とその改善を目的として研究を実施した。空隙減少効果による疲労強度改善にも期待して真空処理コンクリートの疲労強度試験を行うとともに、空隙充填効果の著しい特殊モルタル材料(NEM)を用いた水中疲労試験を行って、疲労強度低下の原因を探るとともに、その改善を目指した。これらの試験においては、水の存在による疲労特性を繰り返し荷重下のひずみ測定によって明らかにするとともに、コンクリート中に存在する水溶性の水酸化カルシウムとの関わりを溶出水のpH測定によって確かめた。
その結果、真空処理コンクリートによる研究では、200万回疲労強度が静的強度の41%となり、水中における普通コンクリートの疲労強度である30%という値に比べると大分改善されたが、大気中における値である56%には及ばなかった。真空処理による骨材界面における付着の改善と水密性の向上による疲労強度の改善効果をひずみおよびヒステリシスループの挙動から知ることができたが、破壊直前における水中疲労特有のひびわれの急激な拡大を抑えることはできず、水の作用の大きいことがわかった。
一方、高炉スラグ組成物(NEM)を用いたコンクリートによる研究でも、200万回水中疲労強度は静的強度の41%となり、上記の結果と全く同様の改善にとどまった。pHおよびひずみの測定から推測された改善の理由も、やはり空隙充填効果による骨材界面の付着と水密性の向上にあると思われるが、高炉スラグ組成物を利用した結果、水中における疲労破壊の開始を遅らせる効果はあっても、水の作用による破壊力には抵抗できず、急激なひびわれ拡大を抑えることはできないことがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 尾崎〓: セメント技術年報. 43. (1989)

  • [文献書誌] 菅田紀之: コンクリート工学論文報告集. 11. (1989)

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi