研究概要 |
社会基盤施設には長大な構造物が多くその地震時挙動の解明が急がれている。それらの構造物は従来慣用的に二次元断面での検討がなされてきたが、長手方向の地震時挙動の重要性も指摘されている。 研究代表者によって1985年に試作されたドラム型遠心装置内に、今年地震時の構造物の蛇行現象といった動的挙動の検討が行える地震動発生装置を開発し、盛土構造物ヘの適用性を検討した。 1.地震動発生システムの開発 今回開発した振動発生システムは、可動モーターと取り外し可能な一連の振動台および振動台間同士に振動を伝達するステンレス鋼棒から構成されている。ユニットの振動台は、直導ベアリング上に鋼板を取り付けたものであり、直導ベアリングは底部をL型の鋼製枠内に固定するとともに、その両端には引張バネが取り付けられ鋼製枠側壁と接続している。加振方法は、モーターの軸に三角形のカムを取り付け、その凸部でステンレス鋼棒を打撃して振動させる方式を採用した。このシステムによれば、基盤振動の周波数特性は可変モーターの入力で、長手方向の伝達特性は、ステンレス鋼棒、および引張バネの剛性を適宜選択することで広範囲な地震動を再現出来る。 2.システムの能力 一連の性能試験から今回開発したシステムの能力は次の通りである。 (1)最大振動加速度 15G,(2)最大振幅 1mm,(3)周波数 72Hz,(4)振動板間位相差 0.005秒,(5)振動板間せん断ひずみ 0.5%,(6)最大負荷荷重 1kg
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