研究概要 |
一般に,陸成粘性土は10m以深の比較的浅い部分に堆積している場合が多く、地下水位の条件によって飽和している場合と不飽和の場合がある。したがって、低拘束圧を受ける条件となっている。このような状態にある土を考慮して、本年度は応力履歴を受けた不飽和陸生粘性土について拘束圧力を50,100,200kpaとして静的・動的非排水せん断試験を行った。以下に本研究で得られた主な結果について記述する。 1.応力履歴を受けた不飽和土は軸ひずみε〓1〜2%で降伏し、ε>5%では応力に比例してひずみが増大する。特に、先行応力比が大きいほど降伏点は明確に現れる。また、降伏応力は先行応力比、拘束圧力、含水比の大きさによって変化している。 2.45°面上のτ_fとσ_fは直線関係にあり、その直線の勾配φより求めたsinφは先行応力比(p_c/σ_c)の対数と直線関係にあり、(p_c/σ_c)が8以上では次第に1に漸近する。 3.任意の含水比(w)、先行応力比p_c/σ_c=nでのsin^<-1>(τ_f/σ_f)であるφ_<wn>は次式で表される。φ_<wn>=π/2-(π/z-φ_<w1>)exp{-(・0.434W(P_c/σ_c))/((π/2-φ_<5w1>)cosφ_<w1>)} 4.軸差応力q_dを繰り返して受けたときの残留ひずみは載荷回数が100回程度ならば、静的にq_dに相当する軸差応力を受けたときの軸ひずみとほとんど同じである。 5.土が破壊しない限り、載荷時の軸ひずみε_cと除荷時の軸ひずみε_cの比は載荷回数とともに1に漸近し、不飽和土では繰り返し応力載荷により次第に弾性的な性質が卓越する。
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