研究課題/領域番号 |
63550364
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
藤本 廣 宮崎大学, 工学部, 教授 (70040962)
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研究分担者 |
瀬崎 満弘 宮崎大学, 工学部, 助手 (80136803)
中沢 隆雄 宮崎大学, 工学部, 助教授 (70041027)
横田 漠 宮崎大学, 工学部, 助教授 (90037888)
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キーワード | 補強土 / 軟岩 / 頁岩 / すべり |
研究概要 |
今年度の研究計画は、土槽中の引き抜き実験と現場施工観測実験を行うものであり、それぞれ次のようなことが明らかになった。 1.土槽実験:鉄筋補強材の斜面に対する安定補強効果は、補強材と土の間の種々のインタアクションに基づいており、それは補強材の引抜き抵抗を調べることにより解明される。トラス付き帯板の引抜き抵抗は、通常の帯板に比べて2.5倍の大きさをもつことが昨年度の研究により明らかになったが、今回、そのメカニズムをFEM解析などにより追求した。その結果、トラス部による補強効果はトラス斜材の引張力と斜材面に沿う土のせん断強度の2つから成り立つことが分かった。また、両者の抵抗力の割合は大体、等しく、かつその合計はトラス付き帯板のそれの約半分であることも認められた。 2.現場実験:四方十累層群上部(日向層群)の切土斜面に対する鉄筋補強土工の観測を行った。地層は基盤頁岩に、崖錐、粘土層、頁岩強風化がのるもので、斜面にはクラックや膨れ出しがみられていた。斜面崩壊を防止するため、5mの鉄筋を1.5m間隔で打ち込み、施工1ヶ月後、ゲ-ジにより鉄筋の軸応力を測定した。その結果、つぎのことなどが認められた。 (1)潜在的すべり面内に打ち込まれた鉄筋の応力は、すべり面の上部にゆくほど大きい。 (2)また、応力分布は各鉄筋とも、地表面から斜面内部に向かって次第に大きくなり、ピ-クを越えて減少している。そのピ-ク以浅では土は主動状態を表しており、斜面は安定を保っているものの、ピ-クを結ぶ面でのすべりを鉄筋が抑制している。
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