研究課題/領域番号 |
63550372
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
祢津 家久 京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
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研究分担者 |
冨永 晃宏 群馬大学, 工学部, 助手 (60135530)
C.W Knisely 京都大学, 工学部, 講師 (40197629)
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キーワード | 組織乱流 / 乱流構造 / バースティング現象 / 開水路流れ / 時空間相関 / レーザ流速計 |
研究概要 |
約20年前に滑面乱流境界層流の壁面近傍にバースト現象が発見され、これが乱れエネルギーの発生機構であり、組織立った渦構造をもつものとして注目され、現在「組織乱流」という新しい分野で精力的に研究されている。滑面開水路流れにも同様なバースト現象が存在することを筆者らは示したが、粗面乱流さらには移動床上での組織乱流の構造は不明な点が多い。本年度の研究では、河床の粗度を不完全粗面、完全粗面と系統的に変化させ、レーザ流速計で乱流構造を詳細に計測し、滑面乱流の特性と比較し、粗度の影響を検討した。 瞬間レイノルズ応力をQuadrant理論を用いて解析し、半値しきい値法を導入し、ejection,sweepの発生周期及び滞在時間を解析した。ejectionの発生周期とsweepの発生周期は、壁面粗度に無関係に外部変数表示されることが確認された。1つのバースト運動中にejectionとsweepとがほぼ同一個現われ、ejection-sweep-ejectionという周期性をもつことがわかった。 瞬間レイノルズ応力の発生に寄与するejectionとsweepの寄与率を計算すると、buffer局(y^+>30)以上ではejectionはsweepより大きく、すなわち前者は約77%、後者は約60%の寄与率となった。粗面乱流になると、sweepの寄与率が増大し、ejectionとsweepの瞬間レイノルズ応力に及ぼす寄与率はほぼ同程度になった。 次に、滑面から粗面へと河床条件が急変する場合や、逆に粗面から滑面へと河床条件が急変する場合の組織乱流の構造を検討した。急変前にレーザ流速計を固定してバーストの発生を検出し、この下流側の水路中央断面内にhot-filmを格子状に移動して、バースト構造の時間・空間構造を解明した。ejection運動も、sweep運動も流下方向に約20°〜30°傾斜している渦構造(ヘアピン)が解明された。しかし、粗度急変に伴う変化はあまり大きくはなかった。
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