研究課題/領域番号 |
63550377
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神野 健二 九州大学, 工学部, 助教授 (80038025)
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研究分担者 |
河村 明 九州大学, 工学部, 助手 (10177735)
上田 年比古 九州大学, 工学部, 教授 (30037692)
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キーワード | 配水ネットワーク / 水需要量予測 / カルマンフィルター |
研究概要 |
1.配水ネットワークのオンライン需要量予測のための定式化および数値シミュレーション:配水ネットワークの流量連続条件と水頭閉合条件を満足する管網基礎式より流量・水頭・需要量および圧力制御バルブ等の非線形連立方程式を解き、これにオンライン状態推定法して優れているカルマンフィルター理論を適用し、需要量予測のための定式化を行った。次いで、本手法の適応性および有用性の検討のために、この手法を需要量や管網の種々の値を予め与えた、いわゆる素性のはっきりしたシミュレーションデータに対して適用した。この結果、本手法により需要量が精度良く予測され、同時に管路流量と節点水頭も精度良く予測されることが示された。また、カルマンフィルター理論における種々の初期値設定が予測精度に及ぼす影響や、予測精度向上のための観測量の設置数や設置箇所の設定についての考察を行った。 2.実際の福岡市配水ネットワークに対する適用:現在福岡市では、市内の主要な配水管に水圧計、流量計、電動調整弁が取り付けられ、常時入力される水圧計、流量計からのセンサ情報をもとに電動調整弁の遠隔操作が行えるようになっており、ここでは系統別配水エリア等を考慮して20のブロックに計画区分されたうちの第9ブロックに対してこれらの実際のオンライン入力を用いて1.で確立された手法により需要量の予測を行った。なお、需要量を記述する式としては周期関数式、自己回帰式およびこれらの混合の式の3通りの式を想定した。この結果、いずれの式を採用した場合にも、観測流量が精度良く予測されるような需要量の予測値が得られ、この手法が実際のオンライン入力を用いる場合にも適用可能であることが確かめられた。今後、これらの3通りの式で記述した場合の需要量の予測値をどのようにして検証していくかが、研究を進めていく上での課題である。
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