研究概要 |
1.河床面の安定理論解析および移動床上の流れの実験を行って、小規模三次元河床波の発生条件および形状抵抗を研究しつぎの知見を得た。 (1)ポテンシャル流理論を用いての河床面安定解析の結果、三次元河床波の初期増幅率kcIは次式で与えられる。 z、に、k,l:河床波の水路軸方向,スパン方向の各波数、α_1:波形勾配係数、α_3=1/tanΦ,Φ:河床材料の摩擦角、β=√<k^2+l^2>,F_r:フル-ド数、f_b=[1-Fr^2+k^2(d/β)tanhβd]/[tanhβd-(Fr^2k^2d/β)],d:粒径,C=(α_1δ)U^2/2g,G_0=mU^n,G_0:定常状態流砂量、δ:遅水距離。 (2)二次元河床波(l=0)より l/k=1.0前後の三次元河床波(うろこ二状砂連、うろこ状砂工)の方が発生しやすい水理条件の範囲が上式から求められる。 2.従来から得られている多くの実験・現地実測資料を再整理解析して、水流の水理条件と河床面上に形成される河床波の相当粗度との関係を研究し、つぎの成果を得た。 (1)相当粗度k_sの値をk_s/d_s=f(τ'_*,S)の形で表示する一般図表を作成した。但しd_s:平均粒径、τ'_*:無次元表面摩擦剪断力、S:水流のエネルギ-勾配。 (2)k_s/d_sの値はSの値のいかんに関せずτ'_*=0.2付近で極大値をとる。 3.移動床実験開水路における発生・発達過程の小規模河床波形状の時間的・空間的変化を、レ-ザ-スリット光を利用した測定とcomputeraidedの画像処理を組み合わせた方法により定量的に把握することができる計測方法を研究・開発した。
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