研究は予定通りの進行している。 飛砂防止工(防砂垣)の最適高さを決定するためには、飛砂量の鉛直分布が重要な要因である。従来、発表されている鉛直分布式を検討したところ、砂表面近くの分布に不明な点があることがわかった。砂表面近くの分布を計測すべく新しい捕砂器を考案し、飛砂量鉛直分布についての風洞実験した。その結果次のような事実が明らかになった。 (1)摩擦速度25cm/s〜100cm/s(地表上約1mの風速で5m/s〜18m/s)の間で有効な飛砂量があるのは地表上約30cmまでである。 (2)分布式は指数則で表示できる。しかし、砂表面近くでは指数則は過少評価を与える。 (3)砂表面近くの砂粒子の運動にサーフェスクリープ運動を考慮して補正すれば(2)の過少評価を修正できる。 詳細については現在投稿中である。 防砂垣の堆砂過程と風速分布に関する実験は終了した。現在解析中であるが、空隙率40〜50%の垣が最も効在的に捕砂すると結論されそうである。 海浜の何処に防砂工を構築したなら最も効果的に飛砂を制御できるかが工学的に重要である。現在、平均的な海浜断面を想定し、断面の種種の地点に防砂垣を設置し、風速分布、堆砂状況についての実験を実施中である。
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