1.鋼管が被覆された根巻き柱脚の性能確認試験を行った。この構法は、根巻き部を鋼管で被覆し併せて肋筋の省略を可能としたもので、優れた施工法と高い力学的性能を有することが、当研究室の既往の研究により確認されている。本年度は、主として被覆鋼管の板厚が主筋の付着・定着性能および剛性に及ぼす影響の解明を目的とした。 2.試験体の総数は16体で、その鋼管柱は全て□-150×150×12とした。実験変数は被覆鋼管の板厚(t=0.45、9、12、16、□-300×300)、根巻き高さ(150mm、225mm、300mm)およびコンクリート強度(Fc=270、450kg/cm^2)である。なお、本年度の試験では、RC地中梁載荷治具を兼ねた鋼梁で置換え費用の低廉化を計った。載荷は試験体柱頭の正負交番水平載荷である。 3.実験の結果、次の耐力決定要因およびその相互作用を定性的かつ定量的に把握することができた。 1)立上げ主筋の降伏 2)立上げ主筋の付着・定着破壊 3)被覆鋼管の支圧破壊(荷重方向への膨らみ出し) これらの様相が把握できたことから、使用限界および終局限界に対する設計式の提案が可能となったものと考えている。 4.また、剛性評価モデルの確認と、モデル各部の剛性を定量的に把握することができた。このことから、剛性評価式の提案が可能と考えている。
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