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1988 年度 実績報告書

動的測定法によるフレッシュコンクリートの流動性状評価法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63550425
研究機関東和大学

研究代表者

河上 嘉人  東和大学, 工学部, 助教授 (60128006)

研究分担者 松藤 泰典  九州大学, 工学部, 教授 (20037922)
池之迫 健一  東和大学, 工学部, 助手 (40128640)
キーワードフレッシュコンクリート / 流動性 / 横波 / 動的測定
研究概要

本研究は、フレッシュコンクリートの流動性状評価法を確立することを目的として行った。方法は、横波を用いた動的測定法であり、同方法により得られる各特性値すなわち、伝播速度(υ)、吸収係数(α)、動的ずり弾性率(G′)動的ずり粘性率(η′)等に及ぼす測定周波数および調合の影響について実験検討を行った。以下に主な結果を要約して示す。
υ:他の分散性を示す材料と同様、顕著な周波数依存性を示すことが明らかとなった。すなわち、υは周波数と共にS字カーブを描いて増大する。
α:測定周波数2kHz前後において極小値を示し、硬練りの試料ほど高周波側にその極小値が存在することが認められた。この周波数は、振動締固めを行う際の最適振動数を与えるものと推察される。
G′:周波数30kHz以上の領域において極限剛性率を示す一定領域(第一平坦部)と共に、2kHz近傍にも一定値を示す領域(第二平坦部)が存在することが認められた。小野木らはこれをサスペンジョン特有の現象とし、レオメーターで得られる降伏値との関連が深いことを考察している。本研究においてモルタルのフロー値と第二平坦部のG′との間に逆比例関係が認められた。
η′:低周波側においてη′は一定値(零せん断粘度)に収束することなく、10kHz前後を境として一旦低下した後、さらに低周波側で一定値を示すという結果が得られた。これは試料の揺変性に因るものと考えられるが、この一定となった時のη′とレオメーターで得られた粗性粘度とを比較した場合、ばらつきは大きいものの両者がほぼ等しいものと判断することができた。
フレッシュコンクリートを線形ビンガム体とみなす従来法と本方法の結果には、一定周波数領域内で整合性が認められたが、本来は非線形粘弾性体とするべきであり、より一般的な状況(材料、施工方法など)に対応させる場合、本方法の有効性が認められる。

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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