爆薬を水中で爆発させた時の水中衝撃波面と爆発生成ガス界面の凍結像を得るために、10^<-7>秒程度の間発光するアルゴンフラッシュの開発を行い、平面衝撃波を発生させる爆薬レンズを使ってほぼ目的どおりの性能を有するフラッシュを作成することができた。また、起爆、アルゴンフラッシュの発光及びカメラのシャッターを同期させる方法として導爆線を使った手法を用い、良好な結果が得られた。 予備的な実験として、理想爆轟が期待される溶填ヘキソトールの爆発時の凍結像を上記のアルゴンフラッシュ法による撮影によって得るとともに爆速をイオンギャップ法により同時測定した。その結果極めて良好な像が得られ、本研究の目的を遂行するのに十分なものであることを確認した。なお、得られた凍結像における生成ガスと水の界面の位置は水中衝撃波面での密度変化による光の屈折のため実際の位置より広がった形となっているが、これを補正するための式を導いた。また、水中に設置されたヘキソトールの理想爆轟現象とそれに伴う水中衝撃波及び爆発生成ガスの広がりを理論計算によりシミュレーションした結果と実験で得られた像を比較した結果、衝撃波及び生成ガスの広がり並びに爆層はいずれも両者の結果が一致した。非理想爆轟は爆薬側面からの希薄波の影響により起こる現象であるので、薬径大きくしたり、側面の拘束を強くすると理想爆轟に近づく。そこで、拘束の効果を調べるために、ANFO爆薬をPMMAあるいはセラミックスで拘束した場合の爆轟に対する凍結像を得て、その結果の解析を行っている。 爆轟の理論計算を行うプログラムとしてはDYNA2Dコード及びTIGERコードについて検討した。TIGERコードの方が評価の経済性から見て有利と考えられるので、これに適した実験方法を新しく開発することにした。
|