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1988 年度 実績報告書

強磁性金属中の溶質拡散の溶質原子磁気モーメント依存性

研究課題

研究課題/領域番号 63550468
研究機関東北大学

研究代表者

飯島 嘉明  東北大学, 工学部, 助手 (70005411)

キーワード拡散 / 磁気変態 / 溶質拡散 / 不純物拡散 / 溶質原子磁気モーメント / 置換型拡散 / 侵入型拡散
研究概要

本研究は強磁性金属FeおよびCo中における種々の溶質原子の拡散係数を広い温度範囲にわたって精密に測定し、溶質拡散におよぼす磁気変態の影響と溶質原子磁気モーメントとの関係を明らかにしようとするものである。従来の機械的セクショニングによる実験法では10^<-16>m^2 S^<-1>より小さい拡散係数を測定することは容易でないため、キュリー温度近傍およびそれ以下の温度における置換型溶質原子の体拡散係数を測定することは困難である。このため、本研究における置換型溶質拡散の実験には10^<-23>m^2 S^<-1>オーダーまで測定可能な高周波スパッタリングによるマイクロセクショニング法を用いた。αFe中の^<51>Crの体拡散係数を850から1150Kの温度範囲において高周波スパッタリングによるシリアルセクショニング法を用いて測定した結果、体拡散係数のアレニウスプロットはキュリー温度直上より直線性を示した。すなわち、スピンの短範囲規則による影響はαFeの中のCrの拡散においては存在しないものと考えられる。強磁性Feの中のCrの拡散におよぼす磁気変態の影響は純Feの自己拡散におけるものより僅かに小さいことがわかった。これはCrの溶質原子磁気モーメントがFeのそれよりも小さいことに寄因するものと思われる。Co中の^<14>Cの拡散を976から1673Kの温度範囲において残留強度法を用いて測定した結果、Co中の侵入型溶質原子Cの拡散においても磁気変態の影響が見出され、しかもCoの自己拡散におけるものより大きいことがわかった。本研究のこれまでの結果は拡散におよぼす磁気変態の影響を検討するためには従来の実験データが精度的に極めて不十分であることを示すものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Chan-Gyu,Lee: DIMETA-88,Diffusion in Metals and Alloys Materials Science Forum. (1989)

  • [文献書誌] Ken-ichi,Hirano: DIMETA-88,Diffusion in Metals and Alloys Materials Science Forum. (1989)

  • [文献書誌] Yoshiaki,Iijima: Materials Transactions,JIM.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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