• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

光散乱を利用した運動転位のその場観察

研究課題

研究課題/領域番号 63550476
研究機関大阪大学

研究代表者

片岡 俊彦  大阪大学, 工学部, 教授 (50029328)

研究分担者 山田 朝治  大阪大学, 工学部, 教授 (80028919)
岸田 敬三  大阪大学, 工学部, 教授 (00029068)
キーワード転位 / 光散乱 / トポグラフィ / レ-ザ- / 塩化カリウム単結晶
研究概要

本研究は、透明結晶中の転位の運動を可視光を用いて観察するという目的でスタ-トした。そのために、光散乱トポグラフィ-装置を試作・完成させ、それを用いてKCI単結晶中の運動転位をその場観察することに成功した。また、その場合の転位像の見え方について考察し、実験結果に対する理論的裏付けを得た。それらの結果を要約すると次のようになる。
1.光散乱トボグラフィ-装置は、波長514nm、出力2Wのアルゴンイオンレ-ザ-を光源とし、直径、約100μm収束ビ-ムで試料を照明し、転位からの散乱光を光学顕微鏡下で察するものである。微弱な散乱光を増強するために、イメ-ジインテンシファイヤ-を、また、転位運動の撮影・記録のためにはビデオカメラを使用している。
2.KCI単結晶体試料に荷重をかけながら転位の運動を直接観察した。得られた転位像は、不純物でデコレ-トされている場合と異なって、強度は低いものの、連続した線状に見える。コントラストは結晶中に含まれる不純物の量に大きく左右され、純度のよいものほど像は鮮明であった。荷重下での転位の挙動は、内部応力状態で変化するが、多くの場合、急速な運動と増殖によって複雑に絡みあった構造をとって静止する。
3.光散乱理論と、レンズの結像理論を用いて転位像のコントラストを計算した。その結果、像の強度は散乱ベクトルの方向によって敏感に変化し、実験によって得られた結果とよい一致を見た。また観察できる転位線の幅は、光学系の分解能によって決められることがわかった。
以上のように光散乱トポグラフィ-法は、今後、転位の直接観察のための有効な手段となるものと期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Kataoka: "InーSitu Observation of Moving Dislocations in KCI Crystal by LaserーLight Topography" Japanese Journal of Applied Physics. 28. L697-L700 (1989)

  • [文献書誌] T.Kataoka: "Direct Observation of Glide Dislocations in a KCI Crystal by the Light Scattering Method" Applied Physics Letters. (1990)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi