研究概要 |
大約研究実施計画の項目に基づいた研究を行うことができた。 1:装置の改修・・・本研究においては金属微粉末を研究対象とするため試料の酸化やオイルミストによる汚染を極力排除する必要があった。ターボ分子ポンプの設置により、従来より高真空度で実験を行なうことが出来た。また光学顕鏡の設置により、ぬれ測定の解像度並びに実験の能率向上を計ることができた。 2:試料の作製 (1)金属微粉末試料・・・加熱冷却二系統回転法により粒径約10μm〜数100μmのAl,Cu粉末を作製し、これらを実験に供した。 (2)セラミックス試料・・・計画ではホットプレス(現有)を用いてセラミックス試料を作製する予定であったが、成形型等の制約のため、良好な試料を作製することが出来なかった。このため企業から供試された試料を実験に用いた。現在新しい成形法である真空粉末圧延機による試料作製を試みている。 3:ぬれ測定および諸測定 溶融Al,CuとSi_3N_4,SiC,ZrO_2のぬれ性の測定および接触面における組成調査や組織観察を行った。これらのぬれ系のうち、AlーSi_3N_4系については、Alの粒径30μm〜600μmにわたって詳細な検討を行った。この結果、Alの粒径が小さくなる程ぬれ性が良好になる"ぬれ性の粒径依存性"並びにAlの表面酸化被膜を除去すると著しくぬれ性が改善することが判明した。今後、より微少な粒径を有する場合についてさらに検討する予定である。各ぬれ系のぬれ測定後の試料について、接触面をX線マイクロアナライザー、走査型電子顕微鏡により調べ、AlーSi_3N_4,CuーSi_3N_4,ZrO_2ーAl系では接触面に反応層は形成されないがAlーSiC系においてはSiを含有しない反応層の形成が見出された。
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