研究概要 |
これまでに確立した複素インピ-ダンスの自動測定システムを用い,Pt電極の代替電極として酸化物電極の電極特性を詳しく調べた。酸化物電極として希土酸化物(Tb_4O_7,CeO_2,Pr_6O_<11>)およびLaMnO_3にCaをド-プしたものを用いた。 CeO_2,Tb_4O_7は安定化ジルコニアと密着したが,Pr_6O_<11>は接合性は悪かった。電極特性はP_<r6>O_<11>,Tb_4O_7,CeO_2の順に悪くなった。これらのことから希土酸化物電極としてはPr_6O_<11>にPtを添加するのが有効だった。 LaMnO_3はPt電極の代替電極として有望であるが,これまでジルコニアとの反応性が問題となってきた。したがって,LaMnO_3のLaをCaで部分置換した電極でジルコニアとの反応性および電極特性への影響を調べた。その結果,反応界面においてはLaMnO_3が生成し,特にMnが安定化ジルコニア中に粒界を通って拡散した。しかし,Ca置換量を大きくすると反応層は薄くMnの拡散も抑制され反応性が低くなった。このため,電極特性もCa置換量が大きくなるほどよくなることが明らかになった。これらのことは酸化物電極がPtの代替電極として有望であった。 また,本年は最終年度であるため,これまで3年間で得られた結果を総括した。金属電極,酸化物電極の電極特性を比較すると,その酸素分左依存性,温度依存性などその現像には共通性があり,現像の理解のためには個々の電極の特殊性はあまり問題にならないことが明らかになった。しかし,酸化物電極は金属電極と比べ,安定化ジルコニアの反応性が激しいため,電極の長期安定性が問題になることがあり,反応性を考慮して電極を改質する必要があることが明らかになった。
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