| 研究概要 |
1.480℃から1060℃までの各種温度において各種濃度のCOーCO_2ーN_2混合ガスを用いて,約5gの実機焼結鉱単一粒子を段階ごとに還元し,還元曲線あるいは部分還元試料を得た。試料断面の顕徴鏡観察,EPMA分析あるいは試料粉末のX線回折を行った。ヘマタイトからマグネタイトへの還元段階においてカルシウムフェライト(CF)は760℃以上では還元されたが710℃以下では還元されなかった。
2.450〜900℃の温度範囲で,約0.5gにの粒子10個一組で約5gとした試料を,ガス比率CO/(CO+CO_2)=0.2一定のものとでC0ーCO_2ーN_2混合ガスにより等温還元し,ヘマタイトからマグネタイトへの還元段階の到達還元率F_fを求めた.800℃以下の場合については,ガス比率一定のままで引き続きもとの設定温度から900℃まで昇温し,充分還元して最終還元率F_fを求めた.上記1項の結果とF_f,F_f値から判断して,CFが還元されはじめるのは730℃からであり,CFが還元されない場合の被還元酸素量は,還元される場合の約70%(F_f=0.7)となること,より詳細に見と低温ほど還元されにくく,F_f/F_f=7.7×10^<ー4>Tー0.04(T:絶対温度)と表されることを明らかにした.
3.マグネタイト安定領域においてガス比率を変えて還元実験を行った結果,500,600℃ではCFはまったく還元されないことや,CFが還元されはじめる温度は,高ガス比率では低温側に,低ガス比率では高温側にずれることなどがわかった.
4.上記1項で述べた単一粒子の還元曲線のデ-タについて,2項の結果を考慮して被還元酸素量を修正し,一界面未反応核モデルによる解析を行った.得られた化学反応速度定数と有効拡散係数の温度依存式を作成し,これを用いた計算還元曲線は,ばらつきの大きい実測還元曲線をおおむねよく表していることなどを示した.
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