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1988 年度 実績報告書

オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の微視ひずみと残留応力に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63550512
研究機関大阪府立大学

研究代表者

川本 信  大阪府立大学, 工学部, 教授 (40081369)

キーワードオーステンパ球状黒鉛鋳鉄 / ADI / オーステンパ / 残留オーステナイト / X線回折線の半価巾 / 微視的ひずみ
研究概要

1.目的:オーステンパ球状黒鉛鋳鉄は強度、靱性にすぐれる材料として注目されている。この材料の基地組織はベイニティック・フェライトと残留オーステナイトから成っており、非平衡な状態であるため2つの相は大きなひずみを受けていると考えられ、また巨視的な残留応力も存在すると推測される。本研究の目的は、これらの状態をX線回折線の解析によって明らかにすることである。
2.方法:25mm厚さのYブロックに鋳造し、フェライト化焼なましした球状黒鉛鋳鉄を供試材とした。オーステンパ処理は、オーステナイト化900℃×1時間、恒温変態300、400℃×1分〜5時間とした。X線回折線の測定、解析には、汎用の自記X線回折装置とパソコンを用いて既に基本部分を開発したX線回折線の測定・計算システムを利用した。
3.結果:本年度の研究により、以下の結果を得た。
(1)使用したX線回折線の測定・計算システムによって、オーステンパ球状黒鉛鋳鉄の残留オーステナイト体積率、2つの相の回折線のピーク角度、積分巾、半価巾、積分強度などが精度良く測定できた。
(2)残留オーステナイト体積率は、オーステンパ温度400℃では約10分以上、300℃では約1時間以上恒温保持すると一定になり、それぞれ約30%、20%であった。その時には、オーステンパ温度に関係なく、格子定数から計算したオーステナイトの炭素固溶量も一定になり、約1.7%であった。
(3)残留オーステナイトの体積率、炭素固溶量が一定になっても、オーステナイトおよびフェライトのX線回折線の積分巾、半価巾は保持時間によって変化することが明らかになった。これは微細組織および微視的ひずみの状態が変化していることを示唆しており、次年度詳細に検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 川本信: 鋳物(日本鋳物協会誌). 60. 365-370 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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