研究概要 |
1.Ni系アモルファス合金触媒によるメタノール分解反応 液体急冷法で作製したNi_<40>Sm_<60>、Ni_<40>La_<60>、Ni_<40>Pr_<60>アモルファス合金を振動ミルにより粉砕し、ふるい分けして100〜200メッシュの粉末にした。これを種々の前処理法で表面改質して触媒を開発した。メタノール分解反応を行い、その活性、選択性および表面状態について検討した。アモルファスと結晶質の反応特性は異なり、アモルファスが転化率、CO選択率ともに結晶質を上回った。合金による違いも現れ、Ni-Laアモルファスが非常に高活性を示した。〔内山、山下、木村、増本、富田、第62回触媒討論会A,3D210(1988)〕 2.貴金属(Pd,Pt)-Zr合金触媒による水素化反応 液体急冷法で作製したPd-Zr、Pt-Zrアモルファス合金を原材料として新しいタイプの触媒の作製を試み、結晶化温度より50℃低い温度で酸化処理を行いZrO_2中にPd、Ptの超微粒子を担持させることに成功した。この触媒の活性をベンゼンの水素化反応をモデル反応として調べている。 3.非晶質合金の酸化反応による燃焼触媒の開発 液体急冷法で作製したZr-(Mn,Fe,Co,Ni,Cu)アモルファス合金を、結晶化温度よりも100℃低い温度で長時間酸化処理後、700℃で数時間の酸化処理を行って100μm以下の触媒を作製した。高活性が期待される貴金属を使用しないのは、安価な燃焼触媒の開発を目的にしているからである。現在作製した触媒の評価、分析をしていないが高活性な特性が期待される。 4.液体急冷Al基合金の諸特性(将来は、触媒特性も測定する) 液体急冷装置および高圧ガス噴霧装置で作製した急冷Al基を透過電顕走査電顕、X-Ray、引張試験、硬度などを調べた。その結果、1)Al-(Cr、Mn)-(Si,Ge)合金で新しい準結晶と非晶質相を見出した。2)高強度Al-Y-Ni非晶質合金の粉末化に成功した。3)Al-(V,Cy,Mn,Fe,Co,Ni)-(Si,Ge)非晶質合金の熱的安定性、電気抵抗、硬度などを明らかにした。
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