研究課題/領域番号 |
63550533
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森 勉 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40016259)
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研究分担者 |
堀江 史郎 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (90114892)
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (50161120)
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キーワード | 銅 / 粒界 / 粒界エネルギ- / 電子線損傷 / 2次欠陥 / 粒界すべり |
研究概要 |
以下に、箇条書で記す。 1.CuのΣ3傾角粒界エネルギ-(γ)を対称方位{111}{111}からの偏奇角(Δ)を変えて測ることを試みた。たいていの粒界は、ファセット化した。ファセット面より、Δ=5°、83.3°のところに、γ-Δ曲線のカスプがあることがわかった。Δ=83.3°の粒界は、{5513}{7711}から成りそのエネルギ-は、{112}{112}対称傾角粒界のそれより小さかった。 2.CuのΣ11傾角粒界エネルギ-を、対称方位{113}{113}からの偏奇角を変えて測った。そして、Δ=10°、72.3°のところに、γ-Δ曲線のカスプがあることがわかった。これらの粒界のエネルギ-も決定できた。 3.〈110〉対称傾角粒界を含むCu試料で、電子線照射によって生じる2次欠陥の生成状況を調べた。このため、超高圧電顕を用いた。その結果、エネルギ-の大きい粒界程、巾の広いDenuded ZOneができることがわかった。また、高エネルギ-粒界は、それ自身点欠陥のSinkというより、速い拡散経路と考えるべきであることもわかった。一方、低エネルギ-粒界では、粒界上にも2次欠陥ができることもわかった。 4.Cuの〈110〉対称傾角粒界のすべりの難易を調べた。nm程度きすべりでは、エネルギ-の高い粒界程すべり易いことがわかった。〜10μm程度のすべりでは、エネルギ-との相関が強くなかった。むしろ、巨視的尺度で存在する粒界のステップに強く依存することが想像された。 5.Cuの〈100〉ねじり粒界のすべり易さを、内耗法(微小すべり)で調べた。そして、すべりの難易は、粒界エネルギ-の大小と強く相関することがわかった。
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