• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

ALーLiーTi合金における複合析出と靭延性の改善に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63550538
研究機関大阪大学

研究代表者

佐治 重興  大阪大学, 工学部, 助教授 (60029072)

キーワードAlーLiーTi合金 / 複合析出 / 靭・延性 / δ′ーAl_3Li粒子 / 変形モ-ド / メカニカルアロイング
研究概要

研究目的:低密度・高剛性を示すAlーLi系合金に適切な時効処理を施すとδ′ーAL_3Li粒子が析出し、強度は著しく向上するが靭・延性は大きく低下する。その原因はδ′粒子が変形中に転位の平面すべりを促進するためである。本研究ではチタンを添加したAlーLiーTi合金を作製し、まず高温時効によって整合ひずみの大きいAL_3(Ti,Li)粒子を析出させ、続く低温時効によりその外殻にδ'相を析出させた複合析出粒子の分散によって平面すべりを抑制し、強度と靭・延性の向上を計る。さらに、メカニカルアロイングの採用によってチタンの多量添加と結晶粒の超微細化による強靭化を計る。
研究成果:Alー2.3%Li2元合金および3種類のAlー(1.6〜2.3)%Liー(0.4〜0.9)%Ti3元合金を溶解ーチルキャスト法で作製し、高温(500°Cー3h)と低温(180°Cー141h)の2段時効を施した試料について、引張試験、TEM観察、SEMによる破面観察を行った結果、2段階時効によって複合析出粒子の形成が確認されたAlーLiーTi3元合金の延性は同じ強度レベルのδ′ーAl_3Li粒子のみが形成された2元合金に比べて約1.5〜10倍大きくなった強度レベルが高くなるほど両者の差は顕著であった。δ粒子と共存する複合析出粒子の分散は転位の平面すべりモ-ドを多重すべりモ-ドに変換し、粒界破壊を靱断による破壊に変え、延性や靱性の向上をもたらすことを明らかにした。
アルミニウム粉末(平均径:44μm)とチタン粉末(32μm)とを混合し、メカニカルアロイング(MA)することによって約10〜17%Tiをアルミニウム中に固溶させることができ、固溶限は約10〜17倍に拡大されたことになる。また、MAによって粉末粒子の大きさは平均約0.6μmにまで小さくなった。AlーLiーTi粉末合金をMAで作製し、複合析出物を多量かつ均一に分散させた強靭な材料を得る可能性が大きくなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 張萩,佐治重興,藤谷渉,堀茂徳: "チルキヤストしたAlーLiーTi合金の複合析出物による延性改善" 軽金属. 40. 116-122 (1990)

  • [文献書誌] 佐治重興 他: "AlーTi粉末のメカニカルアロング" 日本金属学会誌. 54. (1990)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi