• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

超高強度β型チタン合金溶接部の材質改善に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63550549
研究機関大阪大学

研究代表者

黒田 敏雄  大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (00107096)

キーワードβ型チタン合金 / 溶接部 / 組織 / X線回折 / 時効処理
研究概要

本年度はβ型チタン合金であるTiー15Vー3Crー3Al合金溶接部の組織と靱性におよぼす時効処理の影響をアコースティックエミッション(AE)測定、X線回折および薄膜による透過電子顕微鏡観察によって調べた。得られた結果を要約すると次のようになる。
1.Tiー15Vー3Crー3Al合金は溶体化処理のままでは強度が低いが、753Kでの時効処理により超高強度化を計っている。時効処理した本合金をティグ溶接した。その結果、溶接部は結晶粒の粗大化および軟化が生じて母材にくらべ強度および靱性がかなり劣化した。
2.溶接部の材質劣化の原因を明確にするため、時効処理した試片を真空熱処理炉を用いて溶接熱影響部各部の組織を作製した。組織観察の結果溶体化温度の増加とともにβ結晶は粗大化した。粗大粒の試片はβ単相で伸びが良好になるはずであるが、逆に低下し、これは粒界破壊が生じるためであることが判明した。
3.これを改善するため溶体化処理後、時効処理を行った。すなわち、573Kから773Kの種々の温度で種々の時間、時効処理を行った。その結果高温時効では溶体化温度の影響はあまり見られないが、低温時効では溶体化温度の増加とともに時効硬化が助長され、これはX線回折および透過電子顕微鏡観察等から、時効に伴いα相の析出分布形態の相違によるものであることが判明した。しかし溶接熱影響部では母材に比べ、強度が改善されるが、逆に靱性および伸びの劣化が生じるため、適正な時効処理条件の確立を検討している。
4.さらにα+β=相組織のTiー6Alー4V合金とTiー1.5Vー3Crー3Al合金との組織の相違について調べ、α相の分布形態およびβ相の形態の強度および靱性への役割について検討し、そして水素誘起割れにおけるα相の分布形態についても検討を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Enjo: Trans JWRI. 17. 393-398 (1988)

  • [文献書誌] 黒田敏雄: 溶接学会論文集. 7. (1989)

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi