研究課題/領域番号 |
63550568
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研究機関 | 熊本工業大学 |
研究代表者 |
上野 景平 熊本工業大学, 工学部, 教授 (60037653)
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研究分担者 |
相良 文雄 熊本工業大学, 工学部, 助教授
吉田 烈 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (30158430)
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キーワード | 化学発光 / 超高感度インスタントフィルム / フェナントロリン / ルミノール / Nーロチルアクリジニウムエステル / ポーフィリン鉄 / DNAプローブ |
研究概要 |
本研究の最終目的はDNAを化学発光活性な物質で標識し、標識DNAの発する化学発光を写真法で検出するものである。本研究で選んだ化学発光系は1)oーフェナントロリンー過酸化水素ー銅(フェナントロリンでラべル)、2)ルミノールー過酸化水素ー鉄キレート(鉄キレートでラベル)、3)Nーメチルアクリジニウムエステルー過酸化水素(アクリジニウムでラベル)である。まず、それぞれの発光条件をフォトンカウント法でしらべ、最適条件において、ラベル物質の最低検出限界をしらべた。その結果は、1)フェナントロリンは9.0×10^<-8>M2)鉄ポルフィンキレートは9.6×10^<-11>M3)アクリジニウムエステルは3.4×10^<-10>Mまで検出可能であった。つぎに、1)、2)及び3)につき写真法を適用し上記ラベル物質の最低検出限界をしらべた。超高感度インスタントフィルム(POLAROID 612、ISO 20000)をもちい、アガロースゲルプレートまたはメンブランフィルター上の50μlの混合溶液の発光を測定した。その結果は、2)の系が最も好結果を与え、2×10^<-13>M鉄ポルフィン溶液10μlを明瞭なスポットとして写真フィルム上に認めることができた。フォトンカウント法の結果からは3)も同程度の検出感度を示すべきであるが、4.8×10┣D1-8Mアクリジニウムエステル溶液20μlまでしか検出できなかった。 以上の予備実験から、2)の系が写真法に有望であることがわかったので、DNAへのラベル化と化学発光標識DNAの写真法での検出を試みた。すなわち、テトラキス(4ーカルボキシフェニル)ポルフィン鉄キレートとエチレンジアミンの反応によって得られたアミノTCPP溶液(2.5×10^<-4>M)8μlと、熱処理して一本鎖にしたλファージDNA(HindIIIで切断)10μgをグルタールアルデヒドで縮合させ、TCPP標識DNAを調製した。このようにして得られたDNAプローブを用い、ドットハイブリダイゼーションにより0.05μgのλファージDNAを写真法で検出することができた。
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