研究課題/領域番号 |
63550570
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 次雄 東北大学, 工学部, 助教授 (90091694)
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研究分担者 |
遠藤 忠 東北大学, 工学部, 助教授 (30176797)
島田 昌彦 東北大学, 工学部, 教授 (80029701)
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キーワード | ハイドロタルサイト / CdS / ZnS / 層間架橋 / 光触媒 |
研究概要 |
ハイドロタルサイト(HT)の熱分解により得られるNaC型lマグネシウム-アルミニウム酸化物個溶体が、水溶液中の陰イオンを取り込みハイドロタルサイト化合物を再形成することを利用して、水溶液中でマグネシウム-アルミニウム酸化物とカドミウム-エチレンジアミン四酢酸錯イオン〔Cd(edta)^<2->〕を反応させ、〔Cd(edta)^<2->〕を層間にインターカレートしたHT〔Cd(edta)^<2->〕を合成した後、Na_2S水溶液中で層間反応させることにより、CdS架橋ハイドロタルサイトHT(CdS)を合成することに成功した。層間のCdSは直径0.3nm程度の超微粒子であり、優れた耐酸化性を示した。また、光学的バンドギャップは通常のCdSとほぼ等しく2.4eVであり、光触媒能を有していた。同様の方法で層間にCdSとZnSを同時に架橋したHT(CdS-ZnS)およびCdSを架橋した後、ZnSを架橋したHT(CdS/ZnS)を作成し、200W高圧水銀ランプにより波長350nm以上の可視光照射下でのNa_2S水溶液からのH_2生成量を測定することにより、それぞれの化合物の光触媒能を評価した。光触媒能はHT(CdS/ZnS)>HT(CdS/ZnS)>HT(CdS)であり、HT層間にCdSのみを架橋するより、CdSとZnSの両者を架橋することにより、光触媒能を4倍程度向上させることができた。なお、HT層間架橋光触媒では、光照射量を増しても反応速度は変わらなかったが、反応温度の上昇により反応が促進されたことより、反応は層内でのイオンの拡散が律速となっていることがわかった。これより、HT(CdS/ZnS)の光触媒反応速度は、通常のCdS/ZnSより遅かったが、反応の選択系にすすくれており、SO_3^<2->の酸化においてS_2O_6^<2->の生成割合が減少し、SO_4^<2->の生成割合が増加することがわかった。
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