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1988 年度 実績報告書

活性ホウ化物前駆体からのホウ化チタン粉末の固相合成と評価

研究課題

研究課題/領域番号 63550576
研究機関名古屋大学

研究代表者

伊藤 秀章  名古屋大学, 工学部, 講師 (60109270)

キーワードホウ化チタン / 固相反応 / 導電性セラミックス / ホウ化物粉末 / 雰囲気処理
研究概要

ホウ化チタンは、高融点、高硬度をもち、化学的にも安定であり、電気伝導性をもつことから、耐摩耗性、電極材料、耐食容器材料への応用が期待される。しかし、ホウ化チタンは難焼結性であり、助剤を含まない高純度焼結体の諸性質はまだ明らかにされていない。本研究では、固相反応により活性なホウ化物前駆体から易焼結性のホウ化チタン粉末を合成することを目的としている。本年度は、チタン源として金属チタンまたは水素化チタンを、ホウ素源として非晶質ホウ素を用い、活性前駆体およびホウ化物の生成過程を検討し、次の成果を得た。
1.金属チタンと非晶質ホウ素からのホウ化チタン粉末の合成:
チタンとホウ素との混合粉末を、アルゴン気流中で600℃,60min前処理すると、低結晶性の少量のTiB_2が生成した。前処理試料を900ー1500℃でアルゴン気流中で加熱処理することにより、粒子内部に空洞を含んだ粒径15ー20μmのTiB_2粉末が生成した。前処理による低結晶性のTiB_2前駆体の生成が、急激な発熱反応によるTiB_2溶融塊の生成を抑制したものと考えられる。
2.水素化チタンと非晶質ホウ素からのホウ化チタン粉末の合成:
B/Ti=2.0組成の混合粉末を、水素とアルゴンとの混合気流中で、600℃,60min前処理すると、TiH_2が生成した。続いて700ー800℃で加熱処理すると、TiH_2の分解を生じ、水素を固溶したチタンが生成した。この生成物を1000℃で加熱処理すると、TiB_2の生成量が処理時間の増大とともに増大し、360minの処理で空洞のない単一相TiB_2粉末が得られた。水素を固溶した活性なチタンの生成により、TiB_2前駆体が生成し急激なTiB_2生成反応を制御したものと推察される。
以上の結果に基づき、さらに効果的なTiB_2生成反応の制御法を開発し合成粉末の焼結性の評価をおこなう予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松平恒昭,伊藤秀章,中重治,浜本弘: 粉体および粉末冶金. 35. 229-232 (1988)

  • [文献書誌] H.Itoh;T.Matsudaira;S.Naka;H.Hamamoto: J.Mater.Sci.24. 420-424 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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