研究課題/領域番号 |
63550611
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤津 博 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (00038605)
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研究分担者 |
坂西 欣也 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (60183365)
光来 要三 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (50122693)
持田 勲 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (20037758)
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キーワード | 大環状金属錯体 / 固体下方配位子 / 複合系薄膜 |
研究概要 |
本年度は、TiO_2、SnO_2、Nb_2O_5、V_2O_2ZrO_2薄膜、各種ポルフィリン類縁体の金属酸化物薄膜上への含浸による薄膜調製を先ず行なった。金属酸化物薄膜は相当するアルコキシドを用いて、CVD法ならびに希薄溶液を用いる含浸法により調製を検討した。担体としは、SiO_2がこれら酸化物と複合酸化物を形成し易いため、Al_2O_3を用いた。いずれの方法でも数ミクロン程度の薄膜が形成できる見通しを得られた。ポルフィリン類縁体としては、コバルトテトラフェニルポルフィリン、およびアルコキシ基を導入して可溶化したコバルトならびに鉄フタロシアニンを用いて、上記金属酸化物薄膜上への薄膜形成を検討した。その結果、期待した相互作用の発現が認められたのは、TiO_2との複合系のみであった。現在、得られた酸化物薄膜、複合薄膜の物性を検討中である。 コバルトテトラフェニルポルフィリンならびに可溶化コバルトフタロシアニンとTiO_2の複合系は、200℃での真空排気処理により、後者から前者への電子移動によるアニオンラジカル種の構成が生ずることを確認した。両系ともに70℃からNO分解活性を示すが、テトラフェニルポルフィリン系は熱安定性に乏しく、150℃で、酸化分解が進行するのに対して、フタロシアニン系では200℃でも酸化分解の進行はわずかであり、速度の向上が計れることを明らかにした。殊に後者は、前者の生成物がN_2/N_2O=1/2であるのに比べ、同比が9/1と極めて高いN_2選択性を示したことは注目される。現在、更に分解活性の向上を計るため、Pt添加と光利用を検討中である。 備品として申請した、高精度電子マノメーターならびに卓上記録計は設置を完了し、CVD実験、NO吸着、NO分解活性試験に有効に使用している。
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