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1988 年度 実績報告書

有機スズハライド錯体化様式の変化を利用したシクロ付加反応の付加方向制御

研究課題

研究課題/領域番号 63550624
研究機関大阪大学

研究代表者

松田 治和  大阪大学, 工学部, 教授 (20028963)

研究分担者 芝田 育也  大阪大学, 工学部, 助手 (10196420)
キーワードオキシランの開環方向制御 / 有機スズハライド錯体 / シクロ付加反応 / カルボジイミド / モノ置換オキシラン
研究概要

オキシランは工業的にも入手容易で重要な中間製品であるが、反応性が高すぎるため反応制御が困難である。本研究は、中性条件下であればこの制御が可能であるとの観点に立ち有機スズハライド錯体を触媒として用いたものである。具体的にはカルボジイシドとのシクロ付加反応を例にとり、錯体の種類を変えることによりオキシラン環の開環方向を制御可能としたものである。以下に概要を示す。
1、モノ置換オキシランのβー位開裂を経る付加反応
オキシランの置換基がメチル基のように小さい場合、またハロゲンや酸素のような官能基であるなど多様なものに関しても、Bu_2Sn_2にホスフィンを配位させた錯体を触媒とすることにより、ほぼ完全に置換基の付かない側の炭素ー酸素結合での開裂シクロ付加が進行し、対応するヘテロ五員環生成物を定量的に得ることが可能となった。
2、モノ置換オキシランのαー位での開裂を経る付加反応
上記のβー位開裂に比較して、オキシランのαー位開裂反応は非常に困難であり、現代の化学における重要な課題の一つである。この反応を進行させるためには、Bu_3SnIとBu_3POとの錯体を基質と等モル用い、無溶媒条件下では行う必要がある。その結果75〜90%の選択率でα開裂付加が進行した。この系の特徴は錯体がほぼ中性であるため副反応が無いことに加え、従来いかなる方法によっても困難であったクロロメチルオキシランのα開裂付加が進行した点にある。また、このα開裂付加の原因についても従来の報告に誤りがあることを明らかにすることができた。
以上のように、ほぼ同じスズ化合物を錯体化の様式を変化させるという非常に簡便な手段により、モノ置換オキシランの開環付加方向を制御できる方法を開発した。今後は、上記2の反応を真の意味での触媒反応とすることが重要課題と考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 馬場章夫・松田治和: 有機合成化学協会誌. 47. 102-112 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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