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1988 年度 実績報告書

有機テルル化合物を触媒とするオレフィン類の新空気酸化系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 63550648
研究機関大阪大学

研究代表者

神戸 宣明  大阪大学, 工学部, 講師 (60144432)

研究分担者 園田 昇  大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
キーワード酸化 / 酸素 / ジフェニルジテルリド / オレフィン / ジアセトキシ化合物 / ジアルコキシ化合物
研究概要

本研究は、分子状酸素を最も安価かつ多量に供給される重要な酸化剤として捕え、有機テルル化合物を用いるオレフィン類の新しい空気酸化反応系の開発を目的として行なった。その結果、酸性条件下ジフェニルジテルリドを用いることにより、空気雰囲気下種々のオレフィン類が効率よく酸化され、対応する1,2-ジアセトキシ化合物および1,2-ジアルコキシ化合物が収率よく生成することが明らかとなった。また、本反応は酸素の他、酸化剤として、過酸化水素等の種々のパーオキシド、過酸、金属酸化物を用いることができる。この反応機構を詳しく検討した結果本反応はジテルリドと酸化剤との反応により生成するテルレン酸誘導体を鍵活性種として進行することを明らかにした。本反応は、次の各素反応を経て進行するものと考えられる。1.ジテルリドと酸化剤との反応によりテルレン酸またはその誘導体を生成する。2.酸触媒の作用により生成したテルレン酸またはその誘導体とオレフィンが反応し、テルレニルカチオンが付加したカルボニウム中間体、またはエピテルレニル中間体を生成する。3.これに対し溶媒として用いた酢酸またはメタノールが付加しマルコニコフ型付加体を生成する。4.酸触媒ソルボリシスにより、フェニルテルロ基がアセトキシ基またはメトキシ基に置換される。基貭として脂肪族アルケンを用い、メタノール中で反応させると、本反応の中間体である上記マルコニコフ型付加体が単離された。また、この付加反応がアンチ付加で進行し、フェニルテルロ基の置換が反転により進行することより、得られる酸化生成物はシス体が優先的に得られる。また、本反応過程の最終段階で生成するベンゼンテルロールは、共存する酸化剤により容易に酸化され、ジフェニルジテルリドを与えるため、本反応は触媒量のジテルリドを用いても進行し、本反応系は新しい酸素酸化触媒系となることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] N.Kambe: Phosphorus and Sulfur. 38. 167-175 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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