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1989 年度 実績報告書

NMRスペクトルによるポリマ-ゲルの構造と物性・機能性の関連

研究課題

研究課題/領域番号 63550658
研究機関東京農工大学

研究代表者

佐藤 寿弥  東京農工大学, 工学部, 助教授 (90092486)

研究分担者 安藤 勲  東京農工大学, 工学部, 教授 (20016637)
キーワード核磁気共鳴スペクトル / 高分子ゲル / 相互作用 / 化学シフト / 緩和時間 / 自己拡散係数
研究概要

ポリマ-ゲル中の低分子は、比較的鋭いNMRシグナルを与えるため、ゲル中の低分子と高分子マトリッスクとの相互関係や低分子の運動性について種々の情報が得られる。架橋度50%で粒径10μmのスチレン-ジビニルベンゼン(St-DVB)共重合体ゲルビ-ズ存在下で、種々の低分子化合物の^<13>C-NMRを測定した。メタノ-ルジメチルスルオキシド(DMSO)、シクロヘキサン、イソオクタンなどの化合物のシグナルは、ゲル含量が10〜30vol%の場合に2本に分裂して観察された。2本のピ-クの内、高磁場側のブロ-ドなシグナルをゲルからの相互作用を受けたものと帰属した。ピ-クの強度比からゲルによる相互作用はゲル内の溶媒ばかりではなく、ゲル近傍数μmにまで及んでいることがわかった。
架橋度の異なるSt-DVBゲルビ-ズ存在下で、DMSO、アセトン、ベンゼン、シクロヘキサン等の化合物のスピン格子緩和時間(T_1)を測定した。いずれの化合物でも、ゲルが存在するとT_1の値は減少した。ビ-ズに対して良溶媒であるベンゼンの場合、架橋度が大きくなるに従いT_1の値は、減少し、架橋度の影響が現れた。ゲル骨格の運動は主として架橋により制限を受けており、骨格の運動が近傍の低分子の運動に影響を与えたものと考えられる。一方、ビ-ズに対して貧溶媒であるDMSO、アセトン、シクロヘキサンでは、架橋度の影響がほとんどなかった。これらの溶媒中のビ-ズの膨潤度は架橋度によってあまり変わらず、ゲル骨格の運動性が溶媒の性質により主として制限されたためと考えられる。
最後に架橋度の異なるゲル存在下でベンゼン、シクロヘキサンの自己拡散係数をPGSE法により測定した。その結果、分子相関時間への並進運動の寄与を直接観察することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 荻野賢司,井野勇仁,佐藤寿弥: "核磁気共鳴法による高分子ゲルと低分子との相互作用の解析" 高分子学会予稿集. 38. 3844-3846 (1989)

  • [文献書誌] 荻野賢司,佐藤寿弥: "核磁気共鳴法による高分子ゲルと低分子との相互作用の解析" 第3回高分子ゲル討論会予稿集. 9-10 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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