研究課題/領域番号 |
63550666
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小谷 壽 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027019)
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研究分担者 |
綱島 良祐 京都大学, 化学研究所, 助手 (30089130)
堀井 文敬 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70124758)
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キーワード | 二置換ポリアセチレン膜 / 気体混合物 / 透過 / 分離 / 自由体積モデル / 分子運動 |
研究概要 |
1.二置換ポリアセチレンであり、高い気体透過性を示すポリ〔1ー(トリメチルシリル)ー1ープロピン〕(PTMSP)膜への、二酸化炭素/アセトン混合物の透過挙動を30℃で測定した結果、アセトンの透過挙動には膜への溶解度の低い二酸化炭素共存の影響が現れないが、二酸化炭素の透過挙動には溶解度の高いアセトンの共存効果が若干あることがわかった。 2.PTMSP膜へのイソブタン/アセトン混合物の透過挙動を30℃で測定した結果、共に膜への溶解度が高い両成分気体が、それぞれ相手の成分気体の透過挙動に影響を与え、混合物透過における各成分気体に関する透過係数は、単独に透過する場合の値よりも大きくなることが明らかになった。また、各成分気体に関する透過係数の気体の圧力への依存性は、膜への溶解度がより高いアセトンに関する透過係数の圧力依存性に近いことがわかった。 3.1、2に示した測定結果は、PTMSP膜が30℃においてガラス状態にあるにもかかわらず、気体ーガラス状高分子系の透過挙動を説明するために提出された二元輸送モデルの予測とは全く合わないで、気体ーゴム状高分子系の挙動を説明するために提出された自由体積モデルの予測に一致するものである。しかし、自由体積モデルにより計算した結果は、透過係数の圧力依存性については測定結果と一致したが、係数の値は測定結果より若干低いものであった。ポリ酢酸ビニルへの二酸化炭素/アセトン混合物の30℃における透過挙動についても、この結果と全く同様な傾向があることを確かめた。 4.PTMSP膜のNMR測定を行い、かさ高いトリメチルシリル基の分子運動性が高いこと、また膜全体としてはガラス状態にあるにもかかわらず、低分子移動の素過程が関与する局所的な環境はゴム状態に近いものであることが明らかになった。
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