研究課題/領域番号 |
63550674
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
原口 俊秀 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (00038598)
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研究分担者 |
西宮 康二 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 助手 (10208209)
畑中 千秋 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 助教授 (80180884)
井手 俊輔 北九州工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (10041550)
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キーワード | プラズマ重合 / 二重層膜 / 高分子膜 / 膜分離 / 気体分離膜 / 電子温度 / ヘキサメチルジシロキサン / ヘキサフロロベンゼン |
研究概要 |
本年度は主としてプラズマ重合の再現性及び平板型二重層膜の膜構造と気体分離能の関連についての研究を実施計画に沿って行った。プラズマ重合の再現性に関してはダダルプローブ法による電子温度のリアルタイム測定を行い、まずこの値を一定に保ことがプラズマの定常状態を得るのに必要なことがわかった。電子温度は放電出力と圧力の変化を敏感に反映するばかりでなく、重合反応に大きく影響した。また、重合系の電子温度と出力の関係には極小点が存在し、この点で供給電力が最も有効にプラズマ中の化学反応に作用しており、この点が重合操作の目安となると考えられた。膜構造と気体分離能の関連については、まずミリポアVS限外〓過膜を基質とし、その上にヘキサメチルジシロキサン(HMDS)蒸気からの重合膜を堆積させ、次にその上にさらにヘキサフロロベンゼン(HFB)蒸気の重合膜を堆積させて二重層膜を調製した。得られた重合膜について、走査電子顕微鏡、赤外吸収スペクトル及びX線光電子分光法による表面構造の解析と水素、酸素、窒素及び炭酸ガスの透過試験を行った。その結果、次のことがわかった。 (1)二重層膜の透過性を支配するのは主として下層のシロキサン系重合膜であり、分離性を支配するのは表層のフロロカーボン系膜である。 (2)プラズマ重合膜を通しての透過性を向上させるにはその架橋度をおさえることが必要であり、そのためには電子温度の極小点以下の出力でシロキサン系の重合操作を行うことが有効である。 (3)重合膜による分離性の向上には重合体の高架橋度が必要であり、そのためには電子温度の極小点以上の出力で操作する必要がある。 (4)ミリポアVS基質の場合、総膜厚3000A^^°、フロロカーボン系とシロキサン系の膜厚比1:4のとき、酸素の分離比2.5以上、透過速度10^<-5>cc(STP)/cm^2・S・cmHg以上の性能を有する酸素富化膜が得られる。
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