研究課題/領域番号 |
63550689
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
平山 忠一 熊本大学, 工学部, 教授 (10040429)
|
研究分担者 |
坂田 眞砂代 熊本大学, 工学部, 助手 (60187391)
伊原 博隆 熊本大学, 工学部, 助教授 (10151648)
|
キーワード | ポリアミノ酸 / 球状粒子 / サブミクロン粒子 / ラテックス粒子 / グルタミン酸 / 多孔性 |
研究概要 |
合成ポリアミノ酸から成るサブミクロンの球状粒子を開発し、生化学的な応用・展開を目的として、以下の検討を行った。 ポリアミノ酸としてポリ(γ-メチル・L-グルタメート)(PMLG)を選択し、申請者らが開発した懸濁蒸発法を応用してPMLGの球状化を行った。同法によって粒径を制抑するには、かきまぜ装置の形態や性能のような機械的要因の他に、PMLG溶液および懸濁媒体の粒度や温度、添加物などの界面化学的な要因が重要であるので、これらの諸因子について系統的な検討を行った。結果を要約すると、通常の44〜105μmの粒子を得る条件において、例えばかきまぜ速度を2000γpmから10000γpmにすると平均粒径が1μm以下のものが得られることがわかった。一方、かきまぜ速度を2000γpmに固定した場合、懸濁媒体であるポリビニルアルコールの濃度を1wt%から4〜5wt%に増大させると同様の結果が得られた。生成物を遠心分離によって、いくつかのフラクションに分画し、動的光散乱法によって粒径およびその分布を検討した。各フラクションはいずれも単分散性が高く、目的とする0.1μm〜1.0μmの粒子が回収できることが明らかになったが、0.1μm以下のものも多量に生成するため収率がかなり低くなる欠点も見出だされた。 一方、粒子の機能化を目的とした多孔化に関する基礎研究を粒径25〜105μmの粒子について検討した。その結果、懸濁粒子化時に特定の希釈剤を添加し、粒子化後、これを適当な溶媒で洗浄除去することによって達成できることが明らかになった。効果的な希釈剤としてデカヒドロナフタレンのようなPMLGと非相溶的な炭化水素類が挙げられるが、より均質度の高い空孔をもたせるには、ジアルキルフタレートやドデカン酸メチル、リノール酸のように部分的に極性基を有する希釈剤が有効であることも確認した。
|