研究課題/領域番号 |
63550689
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
平山 忠一 熊本大学, 工学部, 教授 (10040429)
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研究分担者 |
坂田 眞砂代 熊本大学, 工学部, 助手 (60187391)
伊原 博隆 熊本大学, 工学部, 助教授 (10151648)
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キーワード | ポリアミノ酸 / サブミクロン粒子 / ラテックス粒子 / グルタミン酸 / 多孔性 |
研究概要 |
ポリ(γ-メチル L-グルタミン酸)を単一成分とする新しいミクロスフェアを開発し、これを生化学的に応用することを目的として、以下の検討を行った。 i)粒径の制御:ポリアミノ酸の球状粒子化は、申請者らが先に開発した懸濁蒸発法を応用した。同法は、水媒体中にポリアミノ酸のハロゲン化炭化水素溶液を懸濁させ、40℃以上で溶媒を徐々に蒸発させることを原理とする。同法において、生成粒子の粒径を決定する諸因子を追求したところ、懸濁媒体の粘度が高いほど、またポリアミノ酸溶液の粘度が低いほど、粒径が小さくなることが明らかになった。これに加え、かきまぜ装置を改善し、蒸発温度を40℃から70℃まで調節することにより目的に応じて0.1μmから1000μmまでの範囲で粒径を制御することが可能となった。 ii)空孔分布の制御:生理活性物質を吸着させる場合、粒子中の空孔特性を制御することは重要な課題となる。懸濁蒸発法において希釈剤といわれる多孔化剤を検討したところ、ポリアミノ酸と非相溶性で、かつ部分的に極性部をもつ炭化水素系化合物が有効な多孔剤であることが明らかになった。その代表的な化合物はデカリン、フタル酸長鎖ジアルキル、オレイン酸、リノレン酸などである。 iii)粒子の二次構造:タンパク質へのアフィニティの源となるペプチド鎖の二次構造は、懸濁粒子化時において熱処理をしたり、粒子化後ギ酸などで処理することにより、α-ヘリックス〓β-構造の相転移を発現させることが可能となった。 iv)タンパク質の吸着:粒子はタンパク質に対してきわめて特異的に吸着することが明らかになった。吸着モ-ドはおそらくペプチド鎖の二次構造に由来すると考えられるが、さらに調査が必要である。
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