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1989 年度 実績報告書

超高分子量PVAの合成とその機能材料化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63550691
研究機関姫路工業大学

研究代表者

三軒 齊  姫路工業大学, 工学部, 教授 (30047568)

研究分担者 山本 統平  姫路工業大学, 工学部, 助教授 (50047627)
蒲池 幹治  大阪大学, 理学部, 教授 (40028163)
キーワード高重合度PVA / ポリピバル酸ビニル(PVP) / ポリ酢酸ビニル(PVAc) / 光乳化重合 / PVPのケン化 / タクティシティ-制御 / パ-ベ-パレ-ション / ゲル紡糸
研究概要

過去2年間にわたる交付研究費による研究で、PVAの高重合度化、膜・繊維化の作業が以下のようにかなり進展した。
まず高重合度化については、酢酸ビニル(VAc)の低温無触媒光乳化重合により重合度(Pn)が13000のPVAを得ることができた。この重合法をピバル酸ビニル(VP)に適用することによりPn=18000のPVAが得られた。このPVAを得るにあたり、従来困難とされていたポリピバル酸ビニル(PVP)の効果的なケン化法も開発した。またVAcとVPの無触媒光乳化共重合物を上記の方法でケン化することにより高重合度のPVAを得ることができた。これらのPVAの立体規則性については、ポリ酢酸ビニル(PVAc)からのものがシンジオタクチックダイアッド(SD)の割合は53%、PVPからのものはSD=64%であり、一方共重合物からのものは仕込モノルマ-組成により上記53〜64%の範囲で制御できることを見い出した。特にSD=64%は、従来報告されているもののなかでも最も高い立体規則度をもつものであり、その化学反応性・物性は興味深い。また共重合物からはSD=53〜64%の範囲で任意の値のPVAが得られるところに特徴があり立体構造と化学反応性・物性の関係解明にも期待がもてる。
これらのPVAの膜化・膜物性の研究も進展しており、SD=64%の膜はSD=53%の膜に比べて融点が約20度高いことなど、大きな相違点が見出されている。またSD=53%の膜んにんよるイソプロピルアルコ-ルのパ-ベ-パレ-ションでは約3000の分離係数が得られ、膜材料としても期待される。繊維化の研究も進展しており、ゲル紡糸が可能で、SD=53%のPVAの高強度化にも成功している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 山本統平: "Preparation and Saponification of High Molecular Weight Poly(vinyl pivalate)" Polymer Journal. 21. 1053-1054 (1989)

  • [文献書誌] 山本統平: "デカン酸ビニルの無触媒光乳化重合" Chemistry Express. 4. 829-833 (1989)

  • [文献書誌] 深江亮平: "Dynamic Mechanical Behaviors of PVA Film with High Syndiotacticity" Polymer Journal.

  • [文献書誌] 山本統平: "High Molecular Weight Poly(vinyl alcohol) through Photo-emulsion Polymerization of Vinyl Acetate without Initiator" Polymer Journal.

  • [文献書誌] 山本統平: "Saponification of High Molecular Weight poly(vinyl pivalate)" Polymer Journal.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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