研究課題/領域番号 |
63550692
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
片岡 一則 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 助教授 (00130245)
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研究分担者 |
井上 祥平 東京大学, 工学部, 教授 (20010762)
桜井 靖久 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 教授 (20010027)
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キーワード | ポリエチレングリコール-ポリアミノ酸ブロック共重合体 / 高分子ミセル / 高分子制ガン剤 / アドリアマイシン / ミサイルドラッグ / ハイブリッド抗体 |
研究概要 |
63年度は、ハイブリッド抗体の合成とキャラクタリゼーションを推進し、順次制ガン活性についても一次スクリーニングを行なった。 (1)水溶性ブロック共重合体の合成については順調に研究が進展し、高収率・高純度でポリエチレングリコール(PEG)とポリ(β-ベンジルアスパルテート)とのブロック共重合体を得ることができた。この共重合体をアルカリ加水分解することによって水溶性のPEG-ポリアスパラギン酸ブロック共重合体を調製し、ポリアスパラギン酸セグメントの側鎖カルボキシル基へ制ガン剤アドリアマイシンをカルボジイミドを用いて導入した。得られた高分子-アドリアマイシン複合体は著明な水溶性を示し、さらに蛍光分光法ならびにレーザー光散乱法によって水中で高分子ミセルを形成していることも明らかとなった。 (2)ハイブリッド抗体の調製に関しては、水中において超音波を照射させながら上記の高分子-アドリアマイシン複合体と抗体とを反応させることによって高収率で得られることを明らかとした。反応はブロック共重合体のポリアミノ酸セグメントの末端1級アミノ基と抗体分子の1級アミノ基とのカップリングであり、用いるカップリング剤としては、N-サクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)が有効であることも判明した。 (3)制ガン活性については、まず、抗体を結合する前段階の高分子-制ガン剤複合体について培養細胞系を用いて一次スクリーニングを行ない、制ガン活性の発現を確認した。またin vivo試験用の腫瘍担持マウスについては、P388マウス白血病細胞の系について飼育・維持の方法論を確立した。さらに、一部の複合体については、上記の腫瘍担持マウスにおいて有効な制ガン活性の発現も確認できた。
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