研究課題/領域番号 |
63550692
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京理科大学 (1989) 東京女子医科大学 (1988) |
研究代表者 |
片岡 一則 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (00130245)
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研究分担者 |
桜井 靖久 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 教授 (20010027)
井上 祥平 東京大学, 工学部, 教授 (20010762)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | ミサイルドラッグ / 抗体 / ドラッグデリバリ-システム / ポリアミノ酸 / ポリエチレングリコ-ル / ブロック共重合体 / アドリアマイシン / 高分子ミセル |
研究概要 |
合成高合子と生体高分子の特質を合わせ持つハイブリッド・プロテインは、新しい機能材料として様々な応用が期待される。本研究においては、優れた生物特異的認識能を有する抗体分子(免疫グロブリン)と、物性を広範囲に制御し得る合成高分子とをカップリングする事により、安全性ならびに機能発現の両面において本来の抗体分子より優れた特性を有するハイブリッド抗体を創成し、その標的指向性高分子医薬としての機能を追究した。具体的には、水中で高分子ミセルとして機能し、特異なミクロ環境を形成するポリエチレングリコ-ル/ポリアミノ酸ブロック共重合体を用いて抗体分子の修飾を行い、抗体分子をこのミクロ環境の中に部分的に包接することにより、安定化をはかった。また、ポリアミノ酸セグメントの側鎖カルボキシル基を利用して、制ガン剤であるアドリアマイシンを結合させ、抗体ー高分子ーアドリアマイシン複合体を調製した。本ブロック共重合体にアドリアマイシンを結合した複合体は、水中でミセルとして機能し、(1)難溶性薬物であるアドリアマイシンの溶解性向上、(2)凍結乾燥等の保存安定性向上、(3)血漿中での高安定性といった優れた特徴を有することが明かとなった。さらに、ミセルを構成するブロック共重合体の末端に、抗体などの標的指向性分子を結合可能な官能基を効率よく導入する方法論を確立した。続いて、このようにして合成された末端反応性ポリマ-への標的指向性分子の結合を行い、制御された構造を有するミサイル化高分子ミセルドラッグを創製した。標的指向性分子としては、抗体分子を中心に研究を展開した。さらに、得られた抗体ー高分子ハイブリッドについては、in vitroにおける安定性などの物理化学的な性質を中心に検討を行い、ミサイル化高分子ミセルドラッグの設計指針を明かとした。
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