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1988 年度 実績報告書

遺伝子組換え菌によるヒト・インターフェロン-βの生産に関する培養工業的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63550704
研究機関東京工業大学

研究代表者

太田口 和久  東京工業大学, 工学部化学工学科, 助教授 (20134819)

研究分担者 秋元 正道  東京工業大学, 工学部化学工学科, 助手 (20016653)
小出 耕造  東京工業大学, 工学部化学工学科, 教授 (60016392)
キーワードインターフェロンβ / 遺伝子組換え菌 / 培養工学 / 二価金属イオン / プラスミドpSY2501 / 生産性 / 回分培養 / Zn^<2+>
研究概要

本研究では、ヒト線維芽細胞が生産するインターフェロン-β(以下ヒトIFN-βと表記)遺伝子をクローン化したプラスミドpSY2501(ATCCライブラリー)を有する大腸菌MM294-1株を供試菌し、倍地組成を種々変えてこれ回分培養し、ヒトIFN-βを効率良く生産させるための工学的指針を得ることを目的とした。
実験は、37℃下、培養液量300mlで行なった。回分培養実験では、この液量の培養を幾つか並行させて行い、ヒトIFN-βの生産量の経時変化も求めた。ヒトIFN-βは、培養液から集菌した細胞を超音波処理し、2-ブタノール抽出の後に氷酢酸を用いて白濁化を進め、ペレットとして分離した。この分画は、SDSポリアクリルアミド電気泳動およびセファクリルSOOを用いたゲルクロマトグラフィ(カラム長:90cm、流量0.2ml)によってマーカーの蛋白質と対比させ、分子量18000を有することからIFN-βと同定した。また、この分離法によってIFN-β以外の蛋白を極めて効率良く除けることも分った。
合成倍地を用いた回分培養では、対数増殖が終了する頃にIFN-βの濃度が最大(3.6×10^<-2>g/l、Lowry法)となるが、その後16nでこの値は、25%程低下することも分った。次に、合成倍地中のZn^<2+>の濃度を0.046mMから0.6nMへと増加させ、回分培養を行なった。その結果、基本倍地で見られたIFN-βの減少を抑制することが出来、IFN-βの収量は約1.8倍程向上した。複合倍地(Y.T倍地)を用いた実験では、菌体の比増殖速度を2倍、IFN-βの生産量を1.4倍程高めることが出来た。然るに集菌した細胞量当りのIFN-βの生産量は1.2倍向上した程度であった。基本倍地のMg^<2+>を3〜100mM、Mn^<2+>を0.04〜1mMと変えた実験では濃度が低い程IFN-βの生産量が高いことが分った。EDTAを添加する実験も行なったが、濃度向上に伴なってIFN-β生産量が増すことが分った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 太田口和久、佐藤平吾、小出耕造: J.ofChemicalEngineering(Japan).

  • [文献書誌] 太田口和久: ケミカル・エンジニアリング. 33. 36-39 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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