研究課題/領域番号 |
63550712
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小森 悟 九州大学, 工学部, 助教授 (60127082)
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研究分担者 |
村上 泰弘 九州大学, 工学部, 教授 (00037730)
植田 洋匡 国立公害研究所, 大気環境部, 室長 (70026186)
天田 次雄 九州大学, 工学部, 助手 (10180093)
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キーワード | 乱流構造 / ガス吸収 / 気液界面 / 表面更新渦 / 物質移動 |
研究概要 |
気液界面を通しての物質乱流液体中への輸送、つまり、乱流中へのガス吸収機構を解明することは、ガス吸収装置や蒸発装置の設計の問題や環境問題の解明と関連して重要である。本研究では、気流との間に剪断力の働かない変動のない気液界面をもつ乱流場を実験室内に作り出し、ポイント・ソ-スから放出された物質濃度の光学的方法による測定と、気液界面近傍の液側流速のレ-ザ流速計による測定とから、表面更新渦の生成機構とその出現周波数を測定し、その表面更新渦と気液界面を通してのガスの吸収速度との関連性を解明することを目的とした。昨年度は、二次元開水路乱流場で表面更新渦がバ-スト現象により作られる生成機構を明らかにしたが、本年度は、実験結果に、より一般性をもたせるため、乱流レイノルズ数と乱流発生機構が全く異なる気液界面をもつ等方性乱流に近い格子乱流場で実験を行った。この格子乱流場で、表面更新渦の出現周波数と二酸化炭素のガス吸収実験を行うことにより、表面更新渦とガス吸収との関連性を明らかにした。その結果、次のことが明らかになった。 1.乱流場に関わらず、乱流の積分時間スケ-ルに相当する大スケ-ルの表面更新渦が気液界面を通しての物質移動を支配する。格子乱流の場合には、気液界面近くの乱流格子により更新渦が生成され、その表面更新渦のスケ-ルは乱流格子の間隔に比例した。 2.二酸化炭素-水系での物質移動係数は、表面更新の概念に基づいてモデル化することが可能であり、その値は、表面更新渦の出現周波数を用いて、乱流場に関係なく同一の式で表される。
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