研究課題/領域番号 |
63550714
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
畑中 淳一 大阪府立大学, 工学部, 講師 (60081361)
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研究分担者 |
中村 秀美 大阪府立大学, 工学部, 助手 (70198232)
小西 康裕 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90167403)
浅井 悟 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90081348)
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キーワード | 鉄酸化細菌 / 硫酸第二鉄水溶液 / 硫化水素 / ガス吸収 / 活性炭 / 吸着 |
研究概要 |
活性炭微粒子に吸着させた鉄酸化細菌を含むFe_2(SO_4)_3水溶液によるH_2Sの反応吸収機構を解明するとともに、細菌がその吸収液再生能力を最大限に発揮できる操作条件を確立することを最終目的として研究を行い、今年度(平成元年度)においては次の点を明らかにした。 無菌の場合について、活性炭微粒子懸濁Fe_2(SO_4)_3水溶液によるH_2Sの反応吸収実験を平面接触攪拌槽を用いて行い、反応吸収速度に及ぼす活性炭の粒子径や粒子濃度の影響について実験的に検討した。予想されたように、粒子濃度が大きくなるほど、また同じ粒子濃度では粒子径が減少すほど、吸収速度は増加することがわかった。本実験では、吸収液に活性炭微粒子(平均径163μm)を20kg/m^3懸濁させることによって、H_2Sの反応吸収速度を粒子無添加の場合と比較して約2倍程度まで促進できることが明らかになった。 ガス吸収速度に及ぼす固体粒子濃度や粒子径の影響を定量的に把握するためには、活性炭微粒子を含む純水によるH_2Sの物理吸収実験を行い、液相物質移動係数を実測することが必要である。そこでH_2Sの物理吸収実験を試みたが、気液界面から液本体に拡散してくるH_2Sの大部分が活性炭に吸着されてしまうために、液相分析からH_2Sの物理吸収速度を求めることはできなかった。目下、気相分析法によって活性炭微粒子存在下での液相物質移動係数が実測できるように検討しているところである。また、本研究の最終目的である鉄酸化細菌懸濁液によるH_2Sの反応吸収の場合にも、ガス吸収過程で吸収剤Fe_2(SO_4)_3が細菌の代謝機能によって酸化再生されるので、液相分析から吸収速度を求めることができない。今後、新たな気相分析法を確立して吸収速度の測定上の問題点を解決してから、本研究の最終目的が達成されるように研究を発展させたいと考えている。
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