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1988 年度 実績報告書

難溶性塩単結晶微粒子の生成

研究課題

研究課題/領域番号 63550716
研究機関早稲田大学

研究代表者

豊倉 賢  早稲田大学, 理工学部, 教授 (40063557)

キーワード難溶性塩 / 反応晶析 / 回分式 / 単結晶群 / 微粒子 / 濃度低下速度
研究概要

今年度においては回分式攪拌槽における硝酸鉛水溶液と硫酸水溶液との反応による硫酸鉛の反応晶析実験を行った。種晶添加後、経過時間に対する過飽和溶液中の鉛イオン濃度の変化を実測して過飽和濃度のべき関数として整理した。その結果、初期濃度Ci=5×10^<-4>〜1.7×10^<-3>mol/l、回転数500r.p.mの範囲ではべき関数の指数がほぼ2に近い値に、またCi=2.0×10^<-3>mol/l以上では同回転数でほぼ1に近い値で整理することができた。種晶固定系における同様の実験では、初期濃度と回転数によって、濃度分析用試料を得るために用いるメンブラン・フィルタの孔径の違いによるべき関数の指数に差異のあるものとないものに整理されたことから、このべき関数での相関は槽内の過飽和溶液中の溶質の状態を推測する1つの方法となると考えられる。そこで、初期濃度と回転数を変化させて硫酸鉛1次核発生実験を行なった。回転数500r.p.mで初期濃度をCi=5.0×10^<-4>〜2.0×10^<-3>mol/lの間で操作した場合、初期濃度が高いほど晶析量が多く代表粒径も大きくなったが、Ci=1〜1.5×10^<-3>mol/lでは均一な微小単結晶群の析出に対しCi=2×10^<-3>mol/lでは分布幅が広く微結晶同士の凝集物の析出がめだった。また、Ci=1×10^<-3>、2×10^<-3>mol/lで回転数を変化させたところ、Ci=1×10^<-3>mol/lでは回転数の増加に伴って晶析量が増加し、200r.p.mをピークに代表粒径は小さく均一になったのに対し、Ci=2×10^<-3>mol/lでは晶析量は一定のまま代表粒径は大きく幅広い分布を示した。以上のことから、べき関数の指数が2で整理できる過飽和溶液では溶質はイオンの状態で存在しているのが支配的であり、それらの衝突による核の生成が律速段階となるが、指数が1で整理できる場合は溶質の合体が速く胚腫等の微粒子が支配的に存在して成長晶への拡散が律速段階となるのではないかという知見と、均一な種晶作成条件の決定に有効なデータを得た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ken Toyokura,et al.: Process Technology Proceedings Indystrial Crystallization.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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