研究課題/領域番号 |
63550717
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研究機関 | 国立公害研究所 |
研究代表者 |
福山 力 国立公害研究所, 大気環境部, 室長 (90011642)
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研究分担者 |
宮嵜 武 国立公害研究所, 大気環境部, 研究員 (50142097)
尾崎 裕 国立公害研究所, 大気環境部, 主任研究員 (40152475)
内山 政弘 国立公害研究所, 大気環境部, 主任研究員 (20160294)
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キーワード | 非球径粒子 / ポリスチレン粒子 / 光散乱 / 微結晶 / 液滴粒径測定 |
研究概要 |
1)球形ポリスチレン粒子を用いて、初年度に製作した散乱光角度分布測定装置の性能試験を行った。その結果、散乱強度角度分布の実測値と理論値とについてパタ-ンの比較をすることにより±0.005μmの精度で粒径を決定できることがわかった。ついでポリスチレン二粒体についての測定を行なったところ、サブミクロン球形粒子の凝集体による光散乱は各構成粒子による散乱強度の重ね合わせに近いことが明らかとなった。非球形粒子による光散乱を考える際、同体積の球形粒子で置き換えるのが従来しばしば用いられてきた近似であるが、本研究の結果によればこの近似が成立するとは言いがたい。 2)球形粒子凝集体以外の非球形粒子エアロゾルを得るために、金属コロイド溶液を分散させる方法を試みた。試料として金を用いて三角形あるいは六角形の粒子を調整することができた。またポリスチレン粒子懸濁液に無機塩を加えてから分散させて、球の表面に結晶粒が付着した形の非球形粒子を得ることができた。 3)多種多様な形を持ち得る非球形粒子の大きさを統一的に表現するための尺度として、粒子体積に着目してその測定法を開発した。この方法は従来風速の測定に用いられてきたホットフィルムセンサ-を応用したもので、それを定温モ-ドで使用することによりセンサ-に衝突する揮発性粒子の気化熱を個々の粒子毎に測定することができた。したがって対象粒子の熱力学的デ-タを用いれば、粒子の形状に関係なくその体積を測ることができしかも校正不要の絶対測定が可能となる。また非球形粒子への適用例としては、低温で使用可能なことを確認して氷晶粒子の等価体積径を測定した。ここで開発した方法は静電式ないし光散乱式粒径分析器とは質的に異なる物理量の測定器として、例えば可燃性粒子の燃焼熱測定など、広範な将来的応用性を持つものである。
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