研究課題/領域番号 |
63550730
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研究機関 | 国立科学博物館 |
研究代表者 |
清水 慶一 国立科学博物館理工学研究部, 理工学第4研究室, 研究官 (20154289)
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研究分担者 |
堀 勇良 横浜開港資料館, 学芸員
鈴木 一義 国立科学博物館, 理工学研究部理工学第2研究室, 研究官 (70196799)
中川 徹 国立科学博物館, 理工学研究部理工学第4研究室, 室長 (70100823)
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キーワード | 建築生産技術史 / 機械史 / 繊維史 / 総合的現存の確認作業 |
研究概要 |
本年度は、明治・大正期に建設された産業施設について、主として現存状況を確認する調査を行い、併せて関連する資料の調査を行った。 主として調査を行ったのは次の様な地域である。 千葉県:野田市、群馬県:富岡、藤岡、高崎、前橋の各市、及び下仁田町、栃木県:宇都宮、鹿沼、足利、日光、今市の2各市、及び足尾町、茨城県:日立、那珂湊の各市 以上の調査によって、明治・大正期に関東地方内陸部に設立された、近代的産業施設中、主要なものは現存の確認をし、資料の採集をし得たと考えられる。現在、この調査によっ得られたデータを整理・分析中であるが、特徴的な物件を挙げれば以下の様なものが有る。 繊維関係-旧足利模範撚糸合資会社工場(足利市、明治36年創設)、旧新町屑糸紡績所に関連する一連の施設(多野群新町、明治10年創設)旧下野製麻施設(鹿沼市) 化学関係-旧陸軍岩鼻火薬製造所(高崎市) 醸造関係-亀甲満醸造蔵等(野田市) 鉱業関係-旧古河鉱業関係の一連の施設(足尾町)日本鉱業・日立製作所関係の一連の施設(日立市) これ等は、今年度に調査を行ったものとしては一部に過ぎず、後日その詳細な一欄を提出する予定である。今回の調査では、これ等について記録写真の撮影、年代資料等に関する聞きとり調査を中心として行った。もとより、これ等については、近代建築史学・産業考古学等ですでに知られているものも多い。しかし、上記表題を目的とした、明治・大正期の産業施設の建築的分析についてはきわめて有効な資料及び現存建築の確認をし得た事は、本年度の研究実績は充分に成果が上ったと言えよう。
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