ベタレイン色素の生合成の遺伝的修飾は植物の第二次代謝産物に関わるバイオテクノロジー展開に重要な役割をになっている。元来園芸植物の花色を多彩化するために追究した来たテーマもこのような視点から大きな拡がりを見せるようになった。 Portulaca属植物を材料として用い、遺伝的な背景を黒にする数多くの系統を用いて遺伝子分析を行なう一方、発育段階を黒にする花蕾から色素およびその前駆物質を抽出し、高速液体クロマトグラフ法を適用することによって、前駆物質ならびに最終産物である数種の色素の生産に関与する遺伝子の作用機作に言及することが可能となった。さらにプロトプラストから各系統の含有する蛋白質を抽出、電気泳動法によって分析した結果、花色発現に重要な関連性をもつ27KD蛋白質を特定できた。今後はこの分子量の蛋白質が色素生合成の特定段階のみに作用するかを確認するため、遺伝子工学的展開をさらに一層推進する予定である。
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