1.ショウガの核型分析 収集系統(35系統)の内6系統を分析した。これらの系統の核型は、いずれも2〜3の染色体に構造変化が生じていることが示唆された。しかし、系統間の核型には明確な差異は見られなかった。また、Ag-I法により最大数4個の核小体が観察されたが、仁染色体は2本のみ同定可能であった。 2.花粉母細胞における染色体行動 DMCにおける減数分裂の観察は、三州'で行った。第1分裂中期における染色体対合型は、11II(84%)、10II+I(15%)、9III+4I(1%)であった。更に第1、第2分裂後期には、染色体橋の出現と、それに伴う染色体断片が頻繁に観察された。したがって、ショウガの不稔性は、主として染色体逆位によるものであると考えられる。 3.組織培養による4倍対の作出 (1)In vitroにおける茎項組織の形態形成:BA(0.5、1、2ppm)添加は発根を抑制し、腋芽の生長を促進した。逆にNAA(0.5、1、2ppm)およびBA+NAA添加は発根を促進し、腋芽の生長を抑制した。 培養基(BA2ppmを含む固形こよび液体)の影響については、茎項組織の生長は液体培地において明らかに促進された。しかし、葉原基数および腋芽数に関しては、培養基の違いによる差異は認められなかった。したがって、茎項組織の生長について、最適培養条件は液体培地+BA2ppmと判断した。 (2)4倍体の作出:コルヒチン0.2%添加培地で、茎項部を種々の時間処理した。育成株には2X+4X、4X個体が出現した。更に、培養体の大きさ、培養基の影響については検討中である。
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