研究概要 |
1.オーキシン合成酵素の純化精製 (1) トリプトファン・トランザミネース(TPAse)の純化精製 TPAseの純化を以下の手順で実施した結果、現在比活性で約100倍に迄純化が進んでいるT.cerasi細胞を超音波破砕機で破砕後、リン酸緩衝液に懸濁し、上清を硫安塩析(飽和度45〜70%)する。沈澱物を透析後、ロトフォア(Bio Rad)等電点電気泳動で分画し、活性部を更にGel Filtration Chromatography(Bio-Gel P-100)で分画、更に活性部をDEAEイオン交換クロマトグライフィーで純化した。 B.IANニトリレースの純化精製 上述の方法で粗酵素液を調整後、硫安塩析(50〜65%飽和度)を行なった。沈澱物を透析し, ロトフォアで分画したが、著しい活性低下がみられた。イオン交換クロマトグライフィー、電気泳動分析等により活性が著しく減少することから現在、補酵素の要求性、サブユニットの可能性について検討中である。 2.IAA^-突然変異株の選択 種々の突然変異誘発物質によりIAA^-突然変異株を選択したところ、クロロフィグリン酸(CFA)が最も有効であった。IAA^-変異体は細胞の大きさも著しく減少していたが、TPAseおよびIANニトリレース活性は確認されなかった。 3.cDNAライブラリーの作成 λgtll発現ベクターにcDNAをクローン後、ライブラリーを調整したところ10^5コロニー/μgDNAを得た。5-メチルトリプトファン耐性により選抜したが、大腸菌のIAA生産能の高い自然突然変異体も選抜されるため、現在ライブラリーからIAA合成遺伝子をスクリーニングする方法を開発中である。
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