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1989 年度 実績報告書

さくら天狗巣病菌のIAA合成遺伝子の同定と制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 63560046
研究機関岡山大学

研究代表者

山田 哲治  岡山大学, 農学部, 助教授 (00191320)

キーワードサクラ天狗巣病菌 / モモ縮葉病菌 / IAA / 増生病 / 腫瘍形成
研究概要

サクラ天狗巣病菌(Taphrina wiesneri)による増生病の腫瘍形成因子として本菌の生産する高濃度のIAA並びにサイトカイニンにより宿主植物細胞ホルモンバランスが崩れ細胞の異常増殖が引き起こされるためであると考えられる。本実験では、病原性因子のひとつと考えられるT.wiesneriのIAA合成に関連する酵素の精製純化を行うと同時に、病原性に関する遺伝子解析を目的として、Iaa-変異株を選択し、パルスフィ-ルド電気泳動解析を行った。
1.トリプトファン・アミノトランスフェラ-ゼ(TATase)の純化・精製
TATaseの純化・精製を、硫安塩析、ゲル濾過クロマトグラフィ-、DEAEイオン交換クロマトグラフィ-、アフィニティ-クロマトグラフィ-を用いて実施したところ、分子量約、7万、5.5万、4.5万の少なくとも3つのアイソザイムが存在することが明らかになった。
2.cDNAライブラリ-の作成。
T.cerasiの全RNAをグアニジンイソシアネ-ト法により抽出し、オリゴdTセルロ-スカラムを用いてポリ(A^+)RNAを分画精製し、cDNAライブラリ-を作成した。大腸菌への形質転換には発現ベクタ-、λgt11を用い、IAA関連遺伝子のクロ-ンの同定は、トリプトファンのアナロ-グ、5-メチルトリプトファンの耐性による選抜により実施したところ、大腸菌自体の自然突然変異体のみが選抜され、本系が遺伝子同定に不適当であると判断された。現在、TATaseの抗体を準備し、遺伝子同定のプロ-ブとして役立てて行く予定である。
3.Iaa-変異株の選抜
抗オ-キシン剤、クロフィブリン酸(CFA)耐性株からIaa-変異株を選抜し、そのインド-ル生産能を調べたところ、IAAの代わりにインド-ルエタノ-ルが蓄積していた。即ち、IAAl oxidaseをコ-ドする遺伝子に変異株が起きたものと推察された。またパルスフィ-ルド電気泳動法により、染色体DNAを分画したところ、1,320kbの染色体DNAIII(仮称)が、900kbと400kbの二つに分断されていた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Yamada,T.et al: "Suppression of pisatin,pheuylclanine ammonia-lycse mRNA,and chalcone,synthase mRNA,accumnlation by a putative pathogenicity faitor from ttce fungus M.pinodes" Molecular Plant Microle Interaction. 2. 256-261 (1989)

  • [文献書誌] Yamada,T.et al: "Eliutor-lcke substances present in barley and wheat seeds." J.phytopath.128. 89-98 (1990)

  • [文献書誌] Shiraishi et al: "Infection enhancing factor for Erisiphe graminis prepared from barley seedlings" Aum.Phytopath.Soc.Jpn.55. 357-360 (1989)

  • [文献書誌] T.Yamada,et al: "Detection of indoleacitic acid biosynthesis in seme species of Taphrina causing hypertropbic diseases in plants" subnitted to Ann.Phytopath.Soc.Jpn.

  • [文献書誌] Gaffney,T.D.et al: "The indole acetic acid operon of Pseudomenas sarastanoi:Transcription analysis and promoter identification" submtted to J.Bacteriol.

  • [文献書誌] T.Yamada,et al: "Changes in indoleacetic acid production and chiomosome length polymorphism in clofibrec acid resis tant mutants of Japhriua wiesueri and T.cleforuaus" submitted to Curr.Genetics.

  • [文献書誌] 山田哲治: "オリ-ブがん腫病の病原性遺伝子解析『植物病害と遺伝子工学』" 朝日出版, 8 (1989)

  • [文献書誌] 山田哲治: "高等植物の情報発現と制御" 丸善, 204-224 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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