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1988 年度 実績報告書

絹の樹脂加工と黄変防止に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63560053
研究機関東京農工大学

研究代表者

荒井 三雄  東京農工大学, 工学部, 助手 (00015041)

研究分担者 平林 潔  東京農工大学, 工学部, 教授 (90021146)
キーワード絹布 / 耐黄変性 / 紫外線吸収剤 / シリコーン樹脂
研究概要

絹を洋装として利用する場合に求められる性能は実用性、機能性である。例えば、洗濯機で洗濯できる、長く着いていてもしわにならない、雨に濡れても色落ちしない、黄変をおこさないなどといった機能をもたせなくてはならない。本研究では、絹の優れた性質を損なうことなく、これらの機能をもった絹布の開発をこころみた。
加工方法は、黄変防止効果が確認されている101S3%とSnCl_21%による処理絹布にのシリコーン樹脂5%で後処理を行った。
試料は未処理絹布、101S3%+SnCl_21%処理絹布、シリコーン樹脂5%による後処理絹布の3種類を用いた。
実験方法は、24時間の日光暴露試験を行い、その黄色度を測定した。その後洗濯機で水洗いを行い、それを交互に繰り返した。
実験結果、まず黄色度の結果を見ると、シリコーン樹脂5%による後処理絹布の黄変防止効果が最も優れている。これはシリコーン樹脂が繊維表面にコーティングされ、撥水性を有し、これによって紫外線吸収剤101Sの洗濯による流出を防いでいると考えられる。このシリコーン樹脂5%による後処理絹布の耐洗濯性を、市販合成洗剤を使用して測定した結果、20回に及ぶ洗濯後も処理絹布には顕著な撥水性が見られた。このことから、101S3%とSnCl_21%処理の後、シリコーン樹脂5%を処理した絹布の耐黄変性、耐洗濯性の向上が見られる。つぎに、この処理絹布の機械的性質を調べると、シリコーン樹脂5%による後処理絹布は、強度・伸度の低下は全く見られなかった。また、吸湿性、防しわ性を測定すると、未処理絹布と比較して。吸湿率の低下はほとんど見られず、防しわ性は若干向上した。以上の実験から、耐洗濯性、黄変防止性、防しわ性、撥水性等を絹布に付与させることができた。すなわち、絹の特徴を損なうことなく、若干の欠点を改善することができた。このようなことから、洋装分野での用途拡大が計れることを期待する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 荒井三雄: 日本蚕糸学雑誌.

  • [文献書誌] 松村正明: 日本蚕糸学雑誌. 55.1. 73-74 (1986)

  • [文献書誌] 胡衛軍: 日本蚕糸学雑誌. 56.2. 127-130 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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