アルデヒド猛基、カルボキシル基および各種アルキルエステルを置換基として持つ19種のHydroxybenzoate化合物を1ppm〜1%の濃度で20%の桑粉末を含む人工飼料に添加して蟻蚕に給与し、24時間後の摂食量を調査し以下の結果を得た。以下のhydroxybenzoateをHBと略す。 1.摂食性への影響はアルデヒド基とカルボキシル基では異なり、オルト位ではHB酸が、常にHBアルテヒドを上まわり、メタ位及びパラ位では1〜100ppmではHB酸が0.1〜1%ではHBアルデヒドが各々摂食刺激効果を示した。 2.HBパラアルキルエステルについて調べたところ、炭素数の少ないもの(メチル、エチル)で摂食量が増し、炭素数の増加に従い(ヘキシル、ヘプチル)、低濃度でも摂食阻害作用を示す傾向を得た。 3.置換基の位置により摂食量は異なり、パラ位は比較的高濃度での摂食阻害が少ない。それに対してオルト位は低濃度で摂食刺激効果を示す傾向がみられた。 4.100ppmのような低濃度でも摂食阻害効果を示した9種の化合物について、桑葉粉末を40%含む人工飼料に添加して調査したところ、そのうちO-HBアルデヒド、O-HBAメチルエステル及び0-HBAエチルエステルの3種のみで摂食刺激効果が認められた。一方、m-HBAエチルエステル、P-HBAエチルエステル、P-HBAヘキシルエステルおよびP-HBAヘプチルエステルの4種は摂食阻害作用を示した。また、これらのHB化合物は1ppm、10ppmの低濃度でも、摂食刺激作用を認めることはできなかった。
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