研究課題/領域番号 |
63560060
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土壤・肥料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉村 悦郎 東京大学, 農学部, 助手 (10130303)
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研究分担者 |
浜田 典明 東京大学, 農学部, 助手 (20172976)
大久保 明 東京大学, 農学部, 助手 (20111479)
山崎 素直 東京大学, 農学部, 助教授 (00011982)
戸田 昭三 東京大学, 農学部, 教授 (40011845)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 植物 / 重金属誘導ペプチド / 重金属耐性 / ファイトケラチン |
研究概要 |
1.Phytochelatin(以下PC)の単離 3μMCdを含有する水耕液で7日間栽培したトウモロコシの値の抽出液を各種クロマトグラフィ-によりCd結合物質を単離生成した。この物質のGlu:Cys:Glyの組成比は5.9:4.6:1.0であった。N-末端アミノ酸はGluであり、C-末端アミノ酸はGlyであった。したがって、本物質は平均重合度が5程度のPCからなることが明らかとなった。 2.PCの分離分析 PCの分析法としてODSを用いたHPLCで分離した後、SH基に特異的な5、5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)でポストラベルする方式を開発した。精製したCd結合物質を本法で分析したところ、γ-グルタミルシステインユニットの異なるPCが7本観測された。また、Cdを含む水耕液で栽培したトウモロコシの値と葉を分析したところ同一のクロマトグラムが得られた。 3.PCによる重金属の解毒 ブチオニンスルフォキシミン(BSX)をCdとともに水耕液に加えトウモロコシの栽培を行った。Cd,BSXのそれぞれ単独の場合には正常な生育をしたのに対し、両者を含む場合には著しい生育阻害が認められた。また、Cdのみの添加では多量のPCが認められたが、Cd,BSXを含む場合には合成されたPCは極めて少なかった。これらのことから、PCはCdの解毒に深く関与していることならびにPCの合成がγ-グルタミルシステインあるいはグルタチオンを基質としていることが明かとなった。
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