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1988 年度 実績報告書

内因性ヒスタミンによる免疫反応調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 63560081
研究機関名古屋大学

研究代表者

中野 紀和男  名古屋大学, 農学部, 助教授 (10023433)

キーワードヒスタミン / マクロファージ / アレルギー / インターロイキン1
研究概要

我々は昨年までにヒスタミンの生合成機構として、新たにマクロファージとTリンパ球の相互作用によるヒスチジン脱炭酸酵素の誘導ルートがあることを明らかにした。そこで本年度はこうして作られたヒスタミンが、これらの細胞自身による免疫反応を調節しているのではないかと考え、検討した。
1、リンパ球幼若化反応の調節における内因性ヒスタミンの役割:
まずミトーゲン反応をモデルにして内因性ヒスタミンによる調節機能を解析した。その結果反応の初期、ヒスタミン生成量が少いときは、何らかの細胞のH_1ー受容体を刺激してミトーゲン反応全体を賦活することを明らかにした。そして反応が進み、ヒスタミン生成量が増すと、今度は恐らく別の細胞のH_2ー受容体を刺激して活性化し、ミトーゲン反応を抑えることを見出した。以上の結果からヒスタミンは免疫反応系中の濃度に応じて、H_1,H_2ー各受容体を持つ免疫細胞を巧みに区別して活性化し、免疫反応全体を調節していることが示唆された。
2、マクロファージによるインターロイキン1の産生調節における発因性ヒスタミンの役割:
そこで次に上記のH_1ー受容体依の反応が何であるかを調べた。まずマクロファージによるインターロイキン1(IL-1)生成に対するヒスタミンの作用を検討した。その結果腹腔マクロファージ、およびマクロファージ様P388D1細胞いずれによるIL-1生成も、ヒスタミンにより明らかに促進されること、それは主にH_1ー受容体依存の反応であることを見出した。したがって上記の内因性ヒスタミンによるH_1ー受容体依存の免疫促進機構の少くとも一部は、マクロファージによるIL-1生成の促進作用であると考えられる。これらの結果から、ヒスタミンは従来知られたインターロイキン類とは別のタイプの免疫調節物質であると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Chanho,OH: Immunology. 65. 143-148 (1988)

  • [文献書誌] Chanho,Oh: Immunology. 65. 433-436 (1988)

  • [文献書誌] Rie,Aoi: Immunology. (1989)

  • [文献書誌] Tae,Song,Ko: Agr.Biol.Chem.52. 1607-1608 (1988)

  • [文献書誌] Chanho,Oh: Agr.Biol.Chem.53. 377-382 (1989)

  • [文献書誌] Hiroshi,Okamoto: J.Immunol.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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